ホーム » エッセイ » 福島第一原発は少なくともこれから20~30年間、放射性物質を太平洋に流し続ける

福島第一原発は少なくともこれから20~30年間、放射性物質を太平洋に流し続ける

読了までの目安時間:約 10分

【 「止めようがない…」福島第一原発の放射能汚染水漏れ 】
福島第一原発の現状がある限り、日本は原子力発電所の再稼働を見直すべきである
福島第一原発の事故収束費用は総額50兆円/再稼働→第2の原発事故→環境面・財政面ともに、日本は破たんする

アーニー・ガンダーセン / ヴォイス・オブ・ロシア / フェアウィンズ 8月7日

ガンダーセン01
このインタビューについて
福島第一原発から太平洋に流れ込んでいる放射能汚染水の問題は、量的にも汚染濃度においても、当初考えられていたものよりずっと悪いものである…。
8月7日水曜日、日本の安倍首相が福島第一原発の汚染水問題を国として対応するよう求めた際、この問題を担当する経済産業省の官僚の一人がこう語りました。

ロシアの放送局ヴォイス・オブ・ロシアは、この問題についてフェアウィンズの設立者であり、原子力発電の専門家であるアーニー・ガンダーセン氏に、福島第一原発の現状と考え得る汚染水問題の解決策についてインタビューを行いました。
ガンダーセン氏は福島第一原発の周囲を取り囲む排水溝内にゼオライトを敷き詰めない限り、今後も放射性物質が海洋に漏出を続けるだろうと指摘しています。
しかしその対策を行っても、地下水によって放射能に汚染された水の漏出は続くだろうと考えています。

エフゲニー・スホーイ : 放射能に汚染された水を一か所に留め置き、汚染水の漏出を止める手立て、それを実現できる方法というものはあるのでしょうか?

アーニー・ガンダーセン : 事態はすでに進行中なのです。
福島第一原発は2年以上に渡り汚染水を漏出し続けてきました。そして結局、海の中に流れ込んでいたのです。

しかし、原子力発電所と地下水に関する私の経験から言えば、最も深刻な問題は海以外の場所にあります。
そうです、福島第一原発の敵地内に放射線量が異常に高い場所があり、その結果海が汚染される状況が生み出されているのです。

110808
日本の人々はバリアを作り上げることによって、汚染水の海洋への流れ込みを阻止しようという考えのようです。
しかしバリアという抗争はすでに手遅れです。
それをやるなら、2年前にするべきでした。
バリアを作る事によって、別の問題が発生してしまうのです。

汚染水の太平洋への流れ込みを止めれば、必然的に福島第一原発の施設内に汚染水が貯まり続けることになります。
その事によって、原子炉自体の不安定性が増すことになります。

原子炉周辺の地中から水を抜くことによって何が起きるでしょうか?
再び大地震が起きた際に、原子炉を抱え込んでいる建屋が崩壊してしまう危険性が生じることになるのです。
ひとつの問題を解決することにより、別の問題が生じる、それが福島第一原発の現実なのです。

スホーイ: どうしたら、そのシナリオを避けることができますか?
ガンダーセン : 私が2年前に提案した放射線量軽減のための解決方法は、敷地を取り囲んでいる排水溝の中にゼオライトという物質を敷き詰めることでした。
ゼオライトは火山灰からできている物質で、放射性物質を吸着してしまう性質を持っています。

汚染水流出
しかし、最終的な解決策は福島第一原発から水が漏出しないようにすることです。
どうすればいいでしょうか?
福島第一原発内に水が入り込まないようにするのです。

流れ込んでいる未だ汚染されていない地下水の水位を、福島第一原発の周囲にある排水溝より低くすることにより、水が入り込まないようにするのです。
水が入り込まなければ汚染水が作り出されることは無くなり、したがって敷地の外に汚染水が漏れ出すことも無くなります。

これまで日本は政府予算を使っての事故収束は、行おうとしてきませんでした。

私は2年前一度彼らに接触したことがありましたが、その答えは東京電力には事故収束に充てるべき充分な予算が無いというものでした。
しかし今やそんなことは言ってはいられない状況になっています。
福島近海の海洋汚染は深刻を通り越し、今や危機的状況にあるからです。

スホーイ : この問題を解決するため、何か採れる手段はあるのでしょうか?海洋汚染についてですが。

汚染水2012-03
ガンダーセン : 残念ながら私の答えは『No(ノー)』 です。
私の見るところ、福島第一原発は少なくともこれから20年間から30年間、放射性物質を太平洋に流し続けることになるでしょう。
事故現場では原子炉建屋の基礎部分から、水をくみ上げ続ける必要がありますが、率直に申し上げてこの水の汚染濃度はかつて私も見たことも無い程ひどく汚染されています。

かつて私は、原子炉の燃料を交換する際に炉心で作業したことがありますが、正常な運転をしている原子炉なら、炉心を直接冷却するために使われた水でさえ、含まれる放射性物質の量は福島第一原発の汚染水の数分の1というレベルなのです。
しかも福島第一原発には莫大な量の汚染水があるのです。
いくら地中に壁を作っても、地下水脈が存在する限り、汚染水は海に流れ込み続けるでしょう。
汚染水は地表を通って海に流れ込むとは限りません。
地下の水路を経由して、海に流れ込んでいる汚染水もあるのです。

スホーイ : 日本の国内問題になりますが、福島第一原発の現状を見る限り、日本は現在進めている原子力発電所の再稼働を延期すべきだとお考えですか?

ガンダーセン : そうあるべきだと思います。
日本政府は福島第一原発の事故収束のために必要な、本当の金額を国民に対し明らかにすべきです。
私は福島第一原発の事故収束費用の総額は10兆円程度になるものと考えています。
そして福島県内の除染には40兆円、併せて50兆円の費用が必要になると考えています。

再稼働反対2106
しかし日本政府は今回の事故を収束させるために、50兆円もの借金を抱え込んでしまったなどと言う事は一切明らかにしていません。
冷静に考えれば、この状況下、他の原子力発電所を稼働させ、万が一第2の原子力発電所事故を起こせば、日本は汚染だけでなく財政的にも破滅に向かう可能性があるという事は、誰が考えてもわかる事です。

日本は地球上で最も地震が多発する場所のひとつです。
そんな場所に原子力発電所を建設することは、もはや愚かさを通り越している、そう言わなければなりません。

http://fairewinds.org/media/in-the-news/there-is-no-way-to-stop-fukushima-radioactive-water-leaking-into-the-pacific
 + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

最早福島第一原発における東京電力の汚染水管理は、どうにもならなくなっているようです。
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/08/20130820t63015.htm の記事などにも、その事実が如実に語られています。

そして今回もガンダーセン氏の指摘には、見るべきものがあります。
福島第一原発のタンク内にあるのは『史上最悪の汚染水』だという指摘です。

なお、本文2枚目の写真の下、9行目の
『原子炉周辺の地中から水を抜くことによって何が起きるでしょうか?』
という部分ですが、原文は『The water can pull underneath the nuclear buildings 』となっています。
この『The water can pull』を私は『水を抜く』と訳しました。
全体として原子炉建屋の地下から水を抜き取ってしまうと、かえって原子炉建屋の基礎部分の不安定が増すという解釈なのですが、間違っているかもしれません。
ご指摘をいただきたい部分です。

明日22日(木)は休載日とさせていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いします。

 + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

【 油を引いた棒を登れば! 】

アメリカNBCニュース 8月17日
(掲載されている写真は、クリックすれば大きな画像をご覧いただけます)

インドネシア 1
首都ジャカルタにあるジャヤ・アンコール・ドリームパークで開催された、インドネシアの独立68周年を祝うイベント。
参加者は油を引いた棒をよじ登り、棒のてっぺんにぶら下げられた自転車、キッチン用具などをもぎ取り、下で待っている仲間に手渡します。
インドネシアは今年、オランダの植民地支配からの独立を果たして68周年、世界で一番人口の多いイスラム教国でもあります。

インドネシア 2
インドネシア 3
インドネシア 4





 

この記事に関連する記事一覧

このサイトについて
星の金貨プロジェクト、リニューアルしました。 これからは薬剤師・小林裕見子がメディアが言えない健康の真実を発信していきます。
サイトマップ
星の金貨プロジェクトのサイトとしてスタート、2024年6月よりあおい薬品の薬剤師・小林裕見子の発信ページに変身しました。
最近の投稿
@idonochawanツィート
健康関連リンク
アーカイブ