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『漏出』トラブルが止まらない!【収拾がつかなくなってきた福島第一原発】

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所要時間 約 9分

原子力発電所再稼働を急ぐ自民党政権下、福島に専念できない日本の原子力行政

エコノミスト 8月24日
(以下の写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)
NYT 福島全体図
[ニューヨークタイムズ http://www.nytimes.com/interactive/2013/09/03/world/asia/controlling-contamination-in-fukushima.html?ref=asia&_r=1& からの画像]

事故収束・廃炉作業を行う上で困難な状況が続く福島第一原発、8月下旬、また新たな大きな問題が持ち上がりました。

8月21日日本の原子力規制委員会は、福島第一原発で起きている高濃度の放射能汚染水の漏出トラブルについて、最高でレベル7まである国際原子力事象評価尺度(INES)の暫定評価をレベル3に引き上げました。

これまで何度かアメリカの専門家から支援の申し出がありましたが、日本は飽くまで日本独力での対応にこだわってきました。
しかし事ここに至り、東京電力ですら海外の専門家の支援を受け入れる姿勢を見せています。

東京電力は現在、国内においても強烈な批判にさらされています。

汚染水問題が悪化する一方の現実を前に、原子力規制委員会の田中委員長は東京電力には
「まったく、危機感がありません。」
と不満を露わにしました。
別の原子力規制委員会の委員の一人は、東京電力が公表しているデータが信ずるに足るべきものなのかどうか、疑問を呈しています。

CB02
高濃度の汚染水が海に漏れ出しているのではないかという指摘を受け続けていたにもかかわらず、東京電力はその事実を何影にもわたって否定し続けてきましたが、8月になってやっとその事実だけは認めました。
東京電力の発表を受け、中国と韓国は事態に対する懸念を表明しました。

3基の原子炉から溶け落ちた核燃料は、それ自体温度が上がらないよう送り込まれる冷却水と、原子炉建屋の付近に水脈がある地下水、その両方を汚染し続け、莫大な量の汚染水が毎日作りだされています。

今年に入って地下貯蔵施設からの汚染水漏れが明らかになると、東京電力は現在1,000基の規模になっている急造の鋼鉄製の貯蔵タンクの設置を急がなければならなくなりました。
その結果、このうちのいくつかのタンクの継ぎ目、ゴムでシールドしている部分から汚染水が漏出している事実が確認されたのです。
直近に明らかになった300トンに上る高濃度汚染水の漏出は、原子力規制委員会をして緊急事態であると認識させるに至りました。
さらに多くのタンクが危険な状態にある、専門家はそう指摘しています。

調査・原子力規制委員会
東京電力が財政難に陥っていることが、事態を一層悪化させた可能性があります。
同社は福島第一原発周辺で暮らしていて、現在は避難を余儀なくさせられている人々への賠償、そして代替の発電手段の燃料代が嵩み、急増した汚染水タンクに水位計を取りつけるという、最も基本的な対策を施す余裕すらありませんでした。
東京電力の作業員はタンクの上に立ち、水量をメモしておくだけでした。
原子力規制委員会は8月下旬、東京電力に対し直ちに汚染水タンクに水位計を取り付けるよう命じました。

「福島第一原発の現場に必要なのは、ステンレス鋼で密閉された貯蔵タンクです。しかしそれを設備するためにはある程度の資金と時間が必要になります。」
シェフィールド大学の放射性廃棄物管理が専門のニール・ハイアット教授がこう語りました。

日本で福島第一原発の状況が軽視されている背景には、これまで原子力政策を推進してきた自民党が政権の座にあり、現在停止中の複数の原子力発電所をできるだけ早く再稼働させるべく、積極的に動いているという事実があります。
日本では現在、2基を除くすべての原子炉が停止しています。

工事遠景
エネルギー資源の輸入量の増大は日本経済と東京電力の財政状態の、両方を圧迫することになります。

原子力規制委員会は東京電力が行っている汚染水の保管状況の検証よりも、国内の原子炉を再稼働させるための新たな安全基準づくりに忙殺されていました。

しかし原子力発電の安全性に対する一般市民の不信感は大きく、再稼働に踏み切るようなことになれば、国内の混乱は一層大きなものになるでしょう。

福島で次々に明らかになる制御不能の事態は、日本のエネルギー問題をより一層困難な状態に追い込むことになりました。

http://www.economist.com/news/asia/21584054-fukushima-nightmare-lingers-no-end-sight
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私は個人的には賛成でも反対でもありませんが、2020年のオリンピックの東京開催が決定しました。
決まった以上は、日本の人々、特に福島の人々の生活の向上に少しでも貢献できるよう、「利用」出来れば良いと考えています。

ただし、東京さえ安全なら…その考え方だけは許されないはずです。
そして福島第一原発の現実から目を逸らさせる、そのための手段にさせないこと。

今回、首相を始め、日本は福島の「安定と制御」を国際社会に公約しました。
その事を現実に出来るのか、これからは国際社会からこれまで以上に厳しい視線が注がれる事になります。
トライアスロンの選手たちを、汚染された海で泳がせる訳にはいかないはず。

もうこれ以上、『余計な事』をしている余裕は無いはずです。

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【 2020年東京オリンピックと福島第一原発 】

アメリカNBCニュース 9月8日

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2020年夏のオリンピック開催地はどこになったのでしょうか?
最終選考会に残ったのはイスタンブール、マドリッド、そして東京でした。
そして勝者は…

IOCロゲ会長「第32回2020年夏のオリンピック開催地は、東京に決定しました。」

マドリッドは第一回の投票で敗退、残るイスタンブールと東京が決選投票に臨みました。

安倍首相「日本は世界で最も安全な都市のひとつです。」

日本は破壊された福島第一原発の新たな問題の発生により、自らを弁護しなければならない事態に追い込まれていました。

安倍首相「福島第一原発の状況は制御下に置かれています、誓ってこう申し上げます。」

しかし実際のところは、日本が財政的に豊かであり、政治的にも安定酸している事が、IOCにとっての最終敵な選択要因であったでしょう。
冬ののオリンピック開催地のソチがあるロシアでは最近デモが頻発、そして2016年夏の大会が開催されるリオデジャネイロではオリンピック関連施設建設の遅れに加え、社会的騒乱が深刻さを増してきています。
そして東京のライバル、イスタンブールでも今年始め、大規模なデモが発生した事に加え、遠くないシリアでは凄惨な内戦が続いています。

特派員「半年前なら、2020年オリンピック開催地がどこになるか予想せよと言われたら、私は躊躇無くイスタンブールと答えたでしょう。しかし、その後深刻な騒乱が発生、ドーピング疑惑も引き起こされ、自滅の道を辿ってしまいました。
東京は日本を代表する都市です。こうなったからには、覚悟を決めて東京へ行くしかありません。」

「おめでとう、東京!」

今回東京が選ばれた事で、日本にはやっと明るい材料がもたらされました。
前回東京でオリンピックが開催されたのは1964年の事でした。

TOKYO








 

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