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【 アフター・フクシマ : 悲劇から5年が過ぎて – 人びとの素顔 】《3》

読了までの目安時間:約 7分

津波で家を失った人々に、さらなる負担を強いる仮設住宅の劣悪な居住環境
息つく暇もなく医師と看護師が働きづめ……3.11被災地の病院の今

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2016年3月10日

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佐藤さんは今、仮設住宅内のコミュニティのリーダーとして自分の自分に価値を見出し、住民の自治会長とボランティアの消防士として時間を使い分けています。
そして津波の到達線上に桜を植樹していく『桜ライン311』( http://www.sakura-line311.org/ )プロジェクトにも参加しています。

佐藤さんが詰めている事務所は仮設住宅群を見下ろす丘の上にありますが、佐藤さんの最初の仕事は雨漏りのひどい屋根、そしてプライバシーが筒抜けになる仮設住宅への改善要望に向き合う事でした。

佐藤さんは時には調停者の役割を演じなければなりません。
「プライバシーというものがここにはありません。それが住民自身が抱える問題に上乗せされるのです。」
佐藤さんは昨年49歳の時、自宅を失い仮設住宅暮らしを強いられる中、軽度の脳卒中の発作を起こしましたが、仮設住宅での生活がいかにストレスの多いものであるか、厳しい口調で語りました。
「私たちはしばしば騒がしい隣人に対する不満を爆発させている人をなだめたり、ストレスの多さから多量のアルコールを飲んでしまった人を介抱しなければなりませんでした。」

3.11仮設住宅
若い人々の転出が続く中、そして被災地で高齢者の孤独死が増えている状況下、佐藤さんが最も懸念するのは仮設住宅で暮している高齢者の福祉問題です。

「私たちは、何か問題が発生した場合に迅速に対応出るよう、ひとり暮らしの高齢者の方にはドアをロックしないようにお願いしています。」

プレハブ造りの仮設住宅の居住環境は劣悪なものですが、佐藤さんは恒久的に住むことができる自宅を新築するだけの資金を貯めるまで、ここで暮らす覚悟は出来ていると語りました。
「私たちは今仮設住宅の端っこで暮らしていますが、隣の世帯が最近出て行ったので比較的プライバシーが保たれるようになりました。仮設で暮らす多くの人々が我慢を強いられているのに比べれば、私たちは幸運な方です。」

▽ 陸前高田市

医師の島貫正明氏の仕事上の入手必要リストの中身は、医師一般のそれと大差ないように見えます。新しい医療機器、より大きな治療施設、そしてより多くのスタッフなどです。

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しかし2011年3月11日の午後、73歳の医師が抱え込んだ問題は次元が違うほど大きなものでした。
三陸沿岸の陸前高田市にある岩手県立高田病院の内科医だった島貫氏は、地面が大きく揺れ始めた時、自分の診察室の中にいました。
科学的記録が行なわれるようになって以降、史上最大となった東日本大震災の地震が始まろうとしていました。
そして約30分後、この地震が引き起こした巨大な津波が陸前高田市に押し寄せました。
「私たちの最優先課題は、患者を危険な場所から移動させることの介助でした。」
高田病院はこの町唯一の総合病院ですが、震災後高台に移転再建されたプレハブの仮設病院で、島貫医師は休憩時間にこう語りました。

「私たちは患者さんたちを4階まで移動させました。しかしそれすら十分ではありませんでした。」
水位はなおも上がり続け、残された唯一の避難場所は病院の屋根の上でした。

51名の入院患者のうち、11名がその日の夕暮までに亡くなりました。そのほとんどは高齢者でした。
また、4人は氷点下にまで下がった屋外の寒さのために死亡しました。
そして9人の病院スタッフも亡くなりました。

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今日、病院が開院して数分後には、島貫医師の診療室前の廊下には、マスクの着用を義務付けられた患者が何十人と並んで診察を待っています。
週5日勤務の高田病院の5人の医師と30人の看護婦は、平均して一人170人の患者の診察と治療にあたります。
訪れる患者の約4分の1はいまだに仮設住宅暮らしです。
この病院で働く医師も医療関係者も、ほとんど息つく暇もなく働きづめの毎日を過ごしています。
島貫医師が一人の患者の診療を終えると、また新たな患者が診察待ちの列に加わります。

しかしその混雑は徐々に整理され系統だったものとなり、岩手県立高田病院はかつての日常を取り戻しつつあります。
「津波直後の最悪の数日間ですら、私たちはあきらめるつもりはありませんでした。」
島貫医師はこう語りました。
「私たちは病院を続けるという選択肢以外をとることは許されない程、外部の方々から多くの支援を受けてきました。でも正直なところ、あとひとつだすぐに望みをかなえてもらえるなら、医師と看護師の増員をお願いしたいと思っています。」

《4》に続く
http://www.theguardian.com/environment/2016/mar/10/the-faces-of-japans-tsunami-disaster-survivors-five-years-on
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【 3月23日の報道写真から 】

アメリカNBCニュース 3月23日

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3月23日、高速道路の入り口を封鎖するコロラド州の警察官。この日大雪と強風がコロラド州の交通網を麻痺させ、学校も休校が相次ぎ、デンバー空港も閉鎖されました。(写真上)

インド、カシミール州の夏の州都であるスリナガルのキマメ湖、ボートの背後に沈む夕陽。(写真下・以下同じ)
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ロンドン自然史博物館で蝶の展示会の開催にあたり、話題作りのため開催されたイベントでフクロウ蝶とポーズをとる少年。
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http://www.nbcnews.com/slideshow/today-pictures-march-23-n544581







 

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