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【 民主主義より『経済の方が大切』な日本人を待ち受ける未来 】

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選挙さえ終わってしまえば、安倍政権は今度こそ全力を挙げて憲法改定への道を突き進むことになる
低い投票率は、強力な選挙マシーンを持つ安倍首相率いる自由民主党に有利に働く
選挙遊説中には憲法第9条の廃止の話題にはほとんど触れようとしない安倍首相

エコノミスト 7月2日

安倍選挙運動
昨年日本は、選挙で投票できる年齢を20歳から18歳まで引き下げました。
しかし7月10日に行われる参議院選挙で、東京都内の高校生である南さんは投票に行くつもりはありません。
他の多くの日本人同様、彼女にとって政治は退屈なものでしかありません。
来るべき参議院選挙も、こうした人々の意見を変えることはないでしょう。

安倍晋三率いる政権与党は、未だ低迷を続ける野党勢力を打ち破ることになりそうです。

世論調査が明らかにした安倍首相に対する評価は、4月に熊本県を襲った地震に対する機能的対応によって上がり、翌月にはアメリカ大統領として初めて広島訪問を実現させたバラク・オバマの感動的な訪問に付き添うことによってさらに上昇しました。
そして選挙当日の低い投票率は、後援会組織などに支えられた強力な選挙マシーンを持つ安倍首相が率いる自由民主党に有利に働くことになります。

オバマin広島
英国のEUからの離脱決定が引き起こした金融不安も、安倍首相に有利に働くことになりそうです。
現在日本を苦しめているデフレーション、低迷したままの消費者支出と実質的に低下している賃金を含む経済的苦境について、安倍政権はその原因を国外の要因のせいにすることが出来るからです。

6月1日に予定されていた消費税増税を延期する際、安倍首相は本格的な経済危機が目前に迫っている懸念があると発言し、内外から徹底的に冷笑を買いました。

現在、安倍首相は多少は学習したようです。
現在進行中の経済的大変動は、安定と資産を守ることを訴える安倍政権の選挙キャンペーン・テーマに対し、様々な面で有利に働く可能性があります。

一方、野党側には不利な材料が積み上がっています。
参議院議員選挙は3年おきに実施され、242議席の半分ずつが入れ替えられます。

安倍政権NO!
野党第1党の民主党は参議院でまだ一定の力を持つています。
しかし2013年の選挙では、民主党が思うような結果は出ませんでした。

テンプル大学のマイケル・キューセック教授は、参議院はまだ日本の政治が二大政党制の下にあることをかろうじて証明する最後の場所だと表現しました。
しかしその状態も消えることになるでしょう。
自民党はすでに衆議院で単独過半数を制していますが、参議院でもこの27年で初めて単独過半数を制する勝利を得ることになりそうです。

そうなれば自民党内の安倍首相の権能はますます大きなものになり、政策決定の際に平和主義者であり社会福祉政策により重点を置く連立与党・公明党の意向を無視できる、大きな自由を得ることになります。

選挙戦に入る前、与党自民党にとって最大のリスクは、安倍首相が自身の究極の目標についてあまりにあからさまにしすぎるということでした。
すなわち参議院の議席の3分の2以上の大多数を確保することです。

SEALDs 5
そうなれば安倍首相は長年目標としてきた、憲法第9条を含む日本国憲法の民主主義的条項を廃止するための国民投票を提案する機会を手に入れることになります。

野党が国民投票によって憲法改定を行うための法案に賛成する条件として選挙年齢の引き下げを要求したため、今回の選挙から投票年齢が引き下げられることになります。
安倍首相は憲法第9条は時代遅れであり、日本にとって危険だと主張しています。
しかしその主張は有権者に概ね嫌われており、そのために安倍首相は選挙遊説中にはこの話題には触れようとはしません。

自民党と連立与党の公明党は、衆議院の議席の3分の2の大多数をすでに制しています。
7月10日に投票が行われる参議院議員選挙では、自民・公明両党は3分の2の議席を制するために合わせて77議席を得る必要がありますが、それがさほど難しくないことは2013年の選挙で証明済みです。
さらに憲法改定の発議には現在参議院で10議席を有する、2つの右翼の小政党の支持も期待できます。

安全保障法案05
憲法改定に向けた状況は安倍首相にそれほど有利ではないかもしれません。
平和憲法を捨てることに対する国民の反対世論は極めて強く、実際に改定手順を進める段階に入ったとしても、安倍首相が支持を求めるべき場所などはありません。
公明党もまた、第9条を変えてしまうことには抵抗を示しています。

ところが多くの日本人にとっての優先課題は『経済』です。
たとえ多くの国民が望まなくとも、連立与党が難色を示しても、選挙さえ終わってしまえば、安倍政権は今度こそ全力を挙げて憲法改定への道を突き進むことになるでしょう。

http://www.economist.com/news/asia/21701524-shinzo-abe-eyes-expanded-majority-master-plan?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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【 6月29日の報道写真から 】

アメリカNBCニュース 6月29日

alpes
フランス・アルプスのモンブラン大山塊のホワイト・ヴァレーを行くアルピニストたち。

http://www.nbcnews.com/slideshow/today-pictures-june-29-n601471






 

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