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【 放射線が子どもたちを攻撃するメカニズム・第2部 】《2》

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福島第一原発の事故前、放射線量が1キログラムあたり100ベクレルを超えれば、その物質は核廃棄物だった
事故で放出されたセシウム137の半減期は30年、しかし物理的に10分の1の量になるまでには100年かかる

フェアウィンズ 7月7日



金子チホ :
まず1キログラムあたり8,000ベクレルの放射性物質という事を念頭に置いてみます。
この数値はいったいどういうものでしょうか?
さて、福島第一原子力発電所の事故が発生する以前、日本では1キログラムあたり100ベクレルを超える土砂はキャスク等の密閉容器に入れ、原子力発電所などの核関連施設内で保管されなければならないと規定されていました。
つまり1キログラムあたり100ベクレルを超えれば、その物質は核廃棄物だったのです。
その程度の『核廃棄物』は日本中至る所にあります。

実例をご紹介すると、福島第一原発の事故後アーニー・ガンダーセン氏が日本の経済産業省の敷地の土壌のサンプルを採取し、その放射線量を測定したことがありました。
その結果は1キログラム当たり4,000~5,000ベクレルという値でした。
つまり規定の40倍を超える放射性物質に汚染されていたのです。

アーニー・ガンダーセン
マーガレット・ハリントン :
アーニー・ガンダーセン氏はフェアウィンズ・エネルギー・エデュケイションのチーフ・エンジニアであり、今年に入ってからも約1ヵ月間、日本で調査旅行を行いました。

マギー・ガンダーセン :
彼は約1カ月をかけて土壌調査を行いました。
科学者の協力の下、福島と東京で調査を行い、採取されたサンプルは研究機関に送られました。
研究結果がまとまれば、直ちにフェアウィンズとしての見解を添え、公表する予定です。

マーガレット・ハリントン :
そして金子さん、事態は改善に向かっているのではなく、悪化しているという事なのですね?

金子チホ :
そうです。間違いなく自体は悪化する傾向にあります。
放射性物質にはそれぞれ半減期があり、放射性崩壊により放出される放射線量は徐々に減少して行きます。
問題となっているセシウムにも半減期があります。

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マギー・ガンダーセン :
セシウム137の場合、半減期は30年、物理的に10分の1の量になるまでには100年かかります。

金子チホ :
その通りです。しかしセシウム134のように、半減期の短いものもあります。

マギー・ガンダーセン :
そうですね、セシウム134の半減期は2年、ほぼ完全に消滅するまでには約20年かかります。

マーガレット・ハリントン :
日本では食物中からセシウムが検出されているのですか?たとえば牛乳とか?

マギー・ガンダーセン :
牛乳から検出されたのはストロンチウム90です。
セシウムは肉と魚から検出されました。ストロンチウム90は化学組成がカルシウムと似ているため、人体に入り込むと骨の中に蓄積され、セシウムはカリウムに誤認されて筋肉内に吸収されます。

マーガレット・ハリントン :
セシウムに関する限り、その量は減少を続け、それに応じてその影響も小さくなっているという事ですね。しかしもっと大きな、そして長期的な観点から考え場合どうなのでしょうか。放射性物質の中には環境中に数百年、数千年の単位で残るものがあるとおっしゃいましたね。

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マギー・ガンダーセン :
環境中の放射性物質について考えるとき基準となるものが2つありますが、そのひとつがベクレルという単位です。
アーニーとベクレルという単位をどうすれば実感として理解できるかという話をしていました。
彼はたとえば環境中の放射線量が8,000ベクレルという単位は、毎日一時間ごとに8,000粒の雨粒を浴びている状況を想像すれば良いと語りました。
この値は日本政府が認めている数値ですが、実際に子供たちが遊ぶ場所で確認されたのはもっと高い数値でしたね、キャロラインあなたがおっしゃったのは24,000ベクレルでしたか?

キャロライン・フィリップス :
ええ、27,000~33,000ベクレルです。

マギー・ガンダーセン :
つまり子供たちはそうした量の放射性物質が含まれている地面が続く場所で遊んでいれば、ずっと放射能の雨、あるいは放射能のシャワーを浴び続けるのと同じ状況に置かれることになるのです。

キャロライン・フィリップス :
ずっととは、具体的に言えば『繰り返し』という事です。

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マギー・ガンダーセン :
そしてキャロラインは、米国環境保護庁がらみで現在アメリカで起きていることについて、皆さんにお伝えすべき情報を持っています。

キャロライン・フィリップス :
そうですね、先ほど金子さんが日本の状況について説明された時、100ベクレルが8,000ベクレルになったという事でしょうか。

金子チホ :
その辺は少し込み入った話になりますので、あとでご説明したいと思います。

キャロライン・フィリップス :
解りました。ではアメリカの話をしましょう。
日本同様、アメリカでも放射線に関する安全基準が変更になり、今度被ばくの限度が引き上げられることになりました。
6月初旬、環境保護庁(EPA)が放射線被曝に関するアメリカ合衆国としての許容限度を引き上げるよう提案を行うと発表しました。
そして現在7月25日までパブリック・コメントを募集しているわけですが、実は今回の被ばく限度量の引き上げは2度目のものになります。
引き上げられた結果は2倍などというものではなく、これまでの規準の実に25倍というものです。
これを具体的数値を用いて説明すると、かつての基準に基づけば一人の人間が被ばくして良い量は年間4ミリレムでした。

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それが今回の環境保護庁(EPA)の改定では最終的に500ミリレムにまで引き上げられてしまいます。
これは幼児や妊娠している女性、高齢者や看護師などの職業の人々にとっては緊急事態的な数値であると言えます。
これは言い方を変えれば、もしアメリカ国内で原子力発電所のメルトダウンのような事態が発生すれば、周辺の人々はこれまでの25倍以上の放射線被ばくをアメリカ政府が許容するという事です。
興味深いのは環境保護庁(EPA)がこの引き上げの理由として、目的はただ周辺住民と事故現場で対応を行環なければならない国や自治体の職員の安全を守るための規準を提示することだけである、という点です。
福島第一原発のメルトダウンの時、こうした人々の身に起きたことは何だったでしょうか。
被ばく線量の規準も何も、事故が発生して瞬く間に人々は無防備なまま、放射線に被曝してしまったのではありませんか?

金子チホ :
その通りです。

《3に続く》
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//children-suffer-nuclear-impact-worldwide-part-2
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第一部についても翻訳してご紹介するつもりでしたが、参院選の海外メディアの報道等をご紹介したりしているうちに、第二部が公開され、未掲載のままでいます。
機会があれば、翻訳・ご紹介したいと考えています。
第二部も出来るだけ続けてご紹介するつもりですが、間に別の記事のご紹介を挟むことになるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

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【 山林火災を煽るカリフォルニアの乾いた風 】

アメリカNBCニュース 7月27日

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7月22日に発生したカリフォルニアの山林火災は折からの乾いた強い風にあおられ、100平方キロに近い面積を焼失させました。

7月27日カリフォルニア州ビッグスルで山林火災と戦う消防士。(写真上)

7月23日迫って来た山林火災を前に避難するカリフォルニア州サンタ・クラリタの住民。(写真下・以下同じ)
DRY02
7月23日火災が間近に迫り、一時消火活動の手を止めて自分の身を守る消防士たち。
DRY03
火災ですべてが消失したベア・キャニオンの山道を行く消防車。
DRY04
http://www.nbcnews.com/slideshow/dry-windy-conditions-fan-california-wildfire-n616271





 

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