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【『中国の脅威』と日本の記録的金額の防衛予算 】

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防衛省、中国の海洋活動と北朝鮮の核兵器開発計画に対抗、5兆1,700億円の年度予算を要求
安部首相の下、日本の軍事費は5年連続で増加 - ステルス6機で950億円ほか

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2016年8月31日

自衛隊海兵
日本の防衛省は、東シナ海で領有権を巡る紛争の原因となっている尖閣諸島の周囲で中国が軍事活動を活発化させている状況に対応するためとして、記録的金額の予算を要求しました。

防衛省は2017年の年度予算として5兆1,700億円を要求しました。
前年度の予算と比較して2.3%の増加、日本の安倍晋三首相が中国の海軍活動と北朝鮮の核兵器開発に対処するため日本の軍事力を強化すると誓って2012年末に権力を握って以来、日本の軍事費は5年連続で増加を続けています。

最新の概算要求は、防衛政策の焦点がロシアに接する北海道の北にある海上の国境から離れ、九州から台湾へと約1,400キロにわたってつながる南西諸島へと移される政策が継続して行われた結果です。
かつての冷戦時代、日本にとっての最大の脅威はソビエト連邦の軍隊だとされていました。

防衛省の今回の予算の購入弊社品目リストの中で多くを占めるのが、東シナ海で日本が実効支配するものの中国も領有権を主張している尖閣列島を含め、中国の潜在的脅威が大きくなっている東シナ海での軍事衝突を想定した装備です。

自衛隊行進
戦略の中心にあるのが、アメリカ海兵隊に倣った水陸両用戦闘部隊の創設です。
これは尖閣諸島(中国側名称釣魚列島)に対する侵略にいち早く対応することを目的としています。
もうひとつ多額の予算を必要とするのが、1兆円を超える経費を投入するアメリカ製の地対空ミサイル・パトリオットを改良したPAC-3ミサイルシステムのアップグレードです。
北朝鮮による核攻撃や通常兵器による攻撃、いずれにも最後の防衛線として設定されています。

ミサイル防衛システムについて日本政府の危機感が大きくなっている背景には、潜水艦発射型も含めた北朝鮮の弾道ミサイル技術が確実に進化し、日本の国土に着弾させることが可能になっているという認識があります。

アップグレードは領空内に入ってくるミサイルを目標とする補足範囲とPAC-3の能力を劇的に強化します。
尖閣諸島を囲む海域は豊かな漁業資源、そして海底には巨大な油田と天然ガス田があるとされています。
尖閣諸島は現在日本が実効排していますが、ここ数か月領海につながる接続水域に対し、中国籍の船舶の侵入が繰り返されています。
防衛省の幹部はこの尖閣諸島の防衛・哨戒能力を高めるため、950億円をかけて6機のロッキード・マーティンF-35ステルス戦闘機を、そして900億円をかけ4機のベル-ボーイングV-22オスプレイ垂直離着陸機と6機のボーイング・チヌーク・ツインローター・ヘリコプターを購入したいと考えています。

核ミサイル
尖閣諸島の領有権について話し合いの場を設けるよう要求する中国に対し、日本側は交渉の余地は無いと拒否を続けていますが、この間の2016年4月~6月までの間、中国機による領空侵犯に対する自衛隊の戦闘機による緊急出動は記録的な回数に上りました。
8月には日本の岸田外務大臣が在日中国大使を呼び出し、尖閣諸島周辺での中国船舶の領海侵犯の活発化が日中関係を「著しく悪化」させていると抗議しました。

一方同じ8月末、岸田外務大臣と中国の王外務大臣が会談し、尖閣諸島周辺での衝突が偶発的戦闘に急発展する事故を誘発しないよう、常にコミュニケーションできる通信手段を確保しなければならないという認識で一致しました。
「我々は両国が努力し、海上での偶発的衝突を避けるため、状況をしっかりと制御下に置かなければならないという認識で一致しました。」
中国の王外相は、東京で開催された日中韓外相会談の席上、記者団にこう語りました。

戦後日本の軍事行動に対して課された制約が不当で時代遅れだと考えている一団の保守的タカ派の政治家を代表する存在として、安倍首相は海外紛争の現場など日本の自衛隊が参加できる場所で国際的に大きな役割を演ずることを望んでいます。
2015年の夏、安倍首相が率いる与党連合は、日本が集団的自衛権を行使し、自衛隊がアメリカを始めとする同盟国の軍隊を援護する軍事行動を可能にする安全保障関連法案を可決成立させました。
これは国際紛争の解決手段として戦争を放棄している現在の憲法を解釈変更に基づくものであり、第二次世界大戦(太平洋戦争)以降初めてのことであり、国内が二分するほどの論争の的となりました。

憲法解釈変更 7
この法律によって自衛隊は幅広い軍事行動が可能になったにもかかわらず、安倍首相の最終目的は飽くまで憲法第9条の廃止にあるとする見方が有力です。
第二次世界大戦(太平洋戦争)直後、アメリカの占領下で制定された憲法第9条は、日本の軍隊の役割を専守防衛に限定しています。

https://www.theguardian.com/world/2016/aug/31/japan-defence-ministry-record-budget-counter-chinese-north-korea-nuclear-threat
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日本が何か差し迫った状況にある訳でもないのに、安倍首相はなぜ海外の紛争地に自衛隊を送りたがっているのでしょうか?
あえて現場の部隊を危機的状況に置くことにより、『もっと装備を充実させることが必要だ!』と主張するためだと私は考えています。
ではなぜ国内の福祉予算等を抑えてまで、公共事業と軍備への支出を増やし続けるのでしょうか?
かつて田中角栄首相が『日本列島改造論』を大鼓吹した結果、日本国内の建設業者の数が異常に多くなり、改造論が潰えた後も仕事を求めて圧力団体化し、高額な公共工事が次々と作りださざるを得ない状況にあると指摘した識者がいました。
その軍事版の圧力団体が軍産複合体です。
キューバ危機を平和裏に収束『させてしまった』ケネディ大統領に、当時のアメリカの軍産複合体が激怒したというのは有名な話です。
真相は不明のままですが、その後に起きたのがケネディ大統領の暗殺事件でした。

イスラム世界の紛争に他宗教社会は決して手を出してはならない、すなわち軍事介入すべきでないという指摘をした識者がいました。
現地の状況を徹底的に解析すれば、軍事介入以外に手段がないという解答は稀なのではないでしょうか?

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【 ロンドンの大火350周年 】

アメリカNBCニュース 9月5日

ロンドンの大火01
テムズ川の川面に浮かべられた17世紀当時のロンドンの街並みを再現する長さ約120メートルの模型に、2016年9月4日火がつけられました。
この模型は1666年に発生したロンドンの大火を記念するためにロンドン市内の若い失業者たちが雇用され、アメリカのアーティスト・デイビッド・ベストの設計に基づき数か月かけて制作されたものです。
火がつけられた木製の模型は当時の大火さながらに、完全に燃え落ちました。

ロンドンの大火02
大火事は1666年9月2日未明、リン・レーンのパン屋の店から出火し瞬く間に旧市街の木造建築物に燃え広がりました。
火事は遠くローマ時代に建設された壁の内側の旧市街を荒れ狂いましたが、驚くべきことに死者の数は6名に留まったと記録されています。
古い時代の中世紀のセントポール大聖堂はこの火災によって完全に破壊され、現在残っているのは建築家クリストファー・レンがデザインし、再建された建物です。


http://www.nbcnews.com/news/photo/anniversary-great-fire-london-marked-n642901






 

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