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【 大飯原発は、政府が言うほど安全なのか?】

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所要時間 約 12分

その危険性を証拠立てる資料は、建設申請時、闇に葬られてしまった…

ヨーコ・マスダ / ウォールストリート・ジャーナル 6月28日



日本が再稼働の準備を進めている2基の原子炉は、「当然そうあるべき」というほど完全な検査が行われないまま、承認が与えられた。
少なくとも地震に関する地質学的立場からはこう言える。
2人の著名な地震学者がこのように指摘しました。

地震学者で神戸大学の石橋克彦名誉教授、そして地殻構造上を専門とする地質学者の東洋大学・渡辺満久教授は、6月26日、政府が再稼働の承認を与えた大飯原発について、それぞれの立場から内在する危険性に関する講演を行いました。
その危険は安全性評価において見落とされ、まさに今、大飯原発が抱えているものです。



大飯原発が立地する、若狭湾周辺における政府が示した『安全性』の見解は、2つの活断層が周辺水域に存在し、この活断層が引き起こす可能性のある地震に対する対策は『すべて』施されている、という認識に基づいています。

しかし石橋教授は政府の見解は、これらの活断層が引き起こす地殻変動の威力に関し、過小評価をしている、と主張しています。
26日、東京で海外の記者団に対して行われた講演で、石橋教授は『第三の活断層』が存在する可能性について言及しました。
石橋教授によれば、仮にこの三つの活断層が同時に動いた場合、地震の規模は政府が予測したものよりもはるかに大きなものになる可能性があります。

そして大飯原発を取り巻くこの三つの活断層が同時に動く可能性については、渡辺教授がこのように説明してくれました。
「この三つの活断層が、連鎖的に地殻変動を起こす可能性を否定する証拠は、どこにもありません。」
この見解に基づけば、若狭湾一帯で発生する可能性がある地震は、予想の規模を超えたものになります。



どうしてこの二人の研究者が提示した見解は、政府のそれと異なり、活断層の危険性を高く評価しているのでしょうか?

その答えは以下のようになります。
渡辺教授は大飯原発の真下を通る『F-6』という名の活断層が、『見逃された』ことを指摘しました。
関西電力はこの地に原子力発電所を建設する申請を初めて行った際、1980年代に作成し、原子力安全・保安院に提出するつもりで、2種類の活断層に関する地質図を持っていました。
渡辺教授によると、この2枚の地質図のうち、北西部分を表示した地質図には、地殻変動が起きる可能性を表示しています。
しかしもう一枚の南東部分を表示した地質図には何も表示されていません。

この2枚のうち関西電力が原子力安全・保安院に提出したのは、活断層に関する表示の無い、南東部分を表示した地質図だけだったのです。
「当時、大飯原発建設のため、調査を行い、評価をくだした『専門家』の専門性と中立性には、非常に疑わしいものがあります。」
渡辺教授はこう指摘しました。
「従って日本政府は、再稼働の承認を与える前に、この問題についてさらに精査する必要があるのです。」
石橋教授、渡辺教授はともに、政府と電力会社は大飯原発の地震の危険性に関する調査について、外部の専門家によりやり直す必要がある、と異口同音に語りました。

関西電力の広報担当者は、当時南東部分の地質図のみを提出したことを認めましたが、隠ぺいする意図は無かった、と語りました。
そして「飽くまで原子力発電所の建設許可が出た場合の例の一つとして」地質図を提出した、とウォールストリート・ジャーナル『ジャパン・リアルタイム』の取材に答えました。
そして2010年に新しい安全基準が適用された際の再検証において、これらの活断層はこれまで12万年から13万年の間、活動した実績が無いことを確認した、と語りました。



原子力安全・保安院の広報担当者は、現在は原子力発電所の施設が建設されてしまっているため、活断層に関する新たな地質図を作成することは不可能だ、と『ジャパン・リアルタイム』の取材に答えました。
そしてこの問題に関してはさらに調査を行っており、関西電力に対し、これらの地質図を作成した当時に撮影した写真を提出するよう求めている、と語りました。
これに対し関西電力からは、当時撮影した写真はすでに紛失した、という答えが返ってきました。
原子力安全・保安院はさらに検証を行うよう求めている、とのことです。

http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2012/06/28/fukushima-watch-are-the-oi-reactors-as-safe-from-earthquakes-as-the-government-says/?mod=WSJBlog&mod=WSJ_Japan_JapanRealTime
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世界ではどう見ても大飯原発の再稼働を『断固決断』した日本政府に対し、疑問を突きつける報道が数多く行われています。
しかし当の日本国内では、消費税法案に絡む『政局』にばかり焦点を当てた報道が続いています。



そんな中、与党民主党は「身を切る」改革として、国会議員の定数削減を行う際、比例代表議席を大幅に削減しようとしています。
何のことは無い、「改革」と称して共産党や社民党、みんなの党など、自分たちの邪魔をする少数政党の議席を減らし、邪魔者を排除しようという意図が見え透いています。

「二大政党制」は私たち日本人の、共有する目標でしょうか?

自民党・公明党は、福島第一原発の事故が発生する直前まで「原子力ルネッサンス」を主唱し、原子力発電所の増設を主張していましたが、事故後も「あれはやめた」とは一言も言ってはいないはずです。
そして民主党政権というものが、「一般」国民の願いをどのように扱う政権か、今回私たちは思い知らされました。

その民主、自民の「二大政党制」になったら、日本中の原子炉に「再び火が灯る」ことになりかねません。

原発推進を掲げる新聞の購読料。
国民の抗議の声を黙殺し続ける放送局のCM。
選挙まで待たなくとも、今すぐできる選択もあるはずです。

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【ますます拡大する、日本の反原発抗議行動】
大飯原発再稼働に反対し、行動する人々の戦い

アルジャジーラ/アメリカCBSニュース/フランス24(共通)ザ・ガーディアン(英国)は抜粋掲載 7月1日
動画はフランス24



数百人の日本の人々が、再稼働を決めた大飯原子力発電所の門の前でパフォーマンスを繰り広げ、抗議行動を行いました。
同発電所は福島第一原発の巨大原子力災害以降、すべて停止していた日本の原子炉の中で、初めて再稼働します。

大飯原発3号機は西日本の福井県にあり、非常に多くの日本国民が強い反対意見を持っているにもかかわらず、1日日曜日、再稼働に踏み切りったのです。

6月、野田首相は大飯原発3号機、4号機の再稼働を命じました。原子力発電なしには「人々の生活を守ることができない」というのがその理由です。
しかしその「人々の」多くは、福島第一原発の事故が繰り広げた大惨禍を目の当たりにし、原子力発電所を再稼働させることには反対しています。

何万人もの人々が29日金曜日夕方、野田首相がいる官邸前に集まり、口々に「再稼働反対」と訴え、原子力発電所の再稼働にNOを突きつけました。
規則に従順だと言われることもある日本人が、これ程の数だけ集まり、一斉に抗議行動を行うのは珍しいことです。
そして野田首相の辞任を求める東京における大集会が、有名な公園で開催されました。



▽有名人たちによる支持

始まった時には日本のほとんどのメディアはこれを無視しましたが、原子力発電に対する反対・抗議活動は、ソーシャルメディアを通して拡大を続けてきました。
抗議活動の中には世界的に有名な人々の姿もあります。
ノーベル賞受賞者の大江健三郎氏、『ラスト・エンペラー』の映画音楽制作を手掛けた坂本龍一氏などです。

日本で現在稼働が可能な50基の原子炉は、昨年襲った巨大地震と巨大津波により発生し、チェルノブイリ以来世界史上最悪となった、福島第一原発の事故で三基の原子炉がメルトダウンして以来、徐々に停止していきました。

しかし一方で暑い夏がやって来た時の、電力不足に対する懸念も高まってきました。石油の輸入量も急増し、一部地域では、電の発生について警告する自治体も現れました。
日本政府は新たな安全基準の作成を行う一方で、大飯原発3号機と4号機については、その安全性は十分に確保されている、と語っています。

▽核反応



大飯原発前で200人の仲間とともにバリケードを築き、抗議活動を行っている41歳の音楽家である河野たいすけさんは、そのような保証を受け入れることができない一人です。
「原子力発電がクリーンエネルギーである、などと言うのはうそです。」
「広島と長崎に原爆を投下されたのに、日本は原子力発電がほしい、などと思うことが本当にあるでしょうか?」

関西電力は日曜日、今回の再稼働に関し、なかなかコメントを発表しようとしませんでした。
結局関西電力はそのウェブサイトで、大飯原発3号機において、発電を始める際の要となる核分裂(連鎖反応)が始まった、と伝えただけでした。

2011年3月11日に襲った巨大地震と巨大津波は、福島第一原発の冷却装置を破壊し、3基の原子炉でメルトダウンを引き起こし、建屋を爆発させました。

この福島第一原発における、最新の問題が日曜日、明らかになりました。
4号機使用済み核燃料プールの冷却装置が故障し、急きょ応急のシステムがセットアップされたのです。
使用済み核燃料プールの温度は上がり続け、70時間以内に冷却装置の修理を終わらせる必要がありました。
でなければ使用済み核燃料プールの温度は限度を超えて上昇し、再び放射性物質を放出するところだったのです。

http://www.aljazeera.com/news/asia-pacific/2012/07/201271102219570481.html
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【タイガー・ウッズ、AT&Tナショナルで優勝、史上単独2位の74勝を達成・今期3勝目】
アメリカPGAツアー・オフィシャル 7月1日

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【あまりの暑さに、働き者もひと休み】
アメリカNBCニュース 7月1日

大学のキャンパスにある泉で、のどを潤すミツバチ。
アメリカ・ノースキャロライナ州。

【スペインの勝ち!】
アメリカNBCニュース 7月1日

UEFA EURO 2012の決勝戦で、イタリアを4-0で下し、狂喜するスペインのサポーター。

(いずれの写真も、クリックすれば拡大画像が見れます。)






 

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