今日は米国ABC、同NBC、英国BBC、そのいずれでもなく、米国AOLエナジー( http://energy.aol.com/)に7月6日に掲載された、シフラ・ミンサー記者のレポートの翻訳をお送りします。
【 こじれ始めた核廃棄物処分問題 】
米国エネルギー省(DOE)はユッカ山の核廃棄物処分場を閉鎖しようとしていましたが、これによりサウスカロライナ州とワシントン州は、増加し続けている使用済み核燃料棒の行き場が無くなってしまうという難局に直面することになります。
このため両州とも、処分場を引き続き利用できるよう、なりふり構わぬ行動に出ています。
金曜日にワシントンDCの米国最高裁判所は、この件に関する判断を放棄しました。
「核廃棄物の処分・貯蔵については、原子力規制委員会(NRC)が最終的に責任を持つべきである」と裁決したのです。
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BBCのアジア太平洋で見つけた記事ですが、訳して改めて見てみると、断片的内容を綴り合わせた感じで、何かを強く主張している、という程ではありません。
ただ、ここのサイトマップをご覧いただくとご理解いただけるかと思いますが、各国のニュースをその都度いちいち記録しておくと、後からまとめて眺めたときに、一本の記事ではわからなかったことが見えて来たりもします。
みなさんには、まとめのつもりでご覧ください。
批判を浴びる「ストレス・テスト」実施
- BBCワールド・ニュース7月7日付アジア太平洋地区 -
原子力発電所の安全性について、さらなるテストを行おうとする日本の計画は、広範囲に及ぶ批判を招き、結果として管直人首相に対する圧力を強める結果となりました。
政府は、原子力発電所の再開について、安全性が確認されたと宣言したほんの数週間後に、このテストの実施を発表しました。
他方、当局は、国内の電力不足が年間を通して発生する可能性がある、という問題を解決するのにどれだけの時間が必要か、示していません。
3月11日の地震と津波は福島第一原発を破壊、原子力発電に対する見直しの機運を高めました。
メルトダウンを起こし、放射性物質の露遺影を引き起こした3基の原子炉で、未だに技術者たちが事態の終息のために働き続けています。
国内の記録で最も大きかった9.0マグニチュードの地震は、国の東北地方の海岸沿いの都市や町を消滅させるほどの、巨大津波を引き起こしました。
「混乱を助長する」
原子力発電所のある玄海町の岸本町長は、政府による突然のストレス・テストの実施の発表に講義するため、停止中の原発の再開許可を取り消しました。
町長は3日前に玄海原子力発電所の再開に同意したばかりでした。
2011年
3月11日 東日本大震災と続いて襲った巨大津波により福島第一原発が破壊される
3月16日 20km圏内の住民に避難勧告
4月17日 東京電力が一年以内に福島第一原発の原子炉の機能回復達成の計画を発表
5月20日 東京電力の清水社長が、福島第一原発の事故対応とその補償による会社の損失が、1兆2,500億円にのぼる見通しとなったことの責任を取って、辞職する事を発表
6月2日 東日本大震災と福島第一原発事故の対応を巡る菅首相の不信任決議案否決
ストレス・テストは大災害の後の再出発のため、当然の行われるべき事です。
しかし、玄海町の岸本町長は政府の発表について
「この発表によって、私の決断が無意味なものになったと思わざるをえません。その事に私は非常な怒りを感じています。」
日本政府は国内の原子力発電所の安全性は保たれて入るものの、ストレス・テストを行う事によって国民の危惧を払拭できると言っています。
国内の反原発感情の高まりに対応するため、国内に54基ある原子炉の3分の2が、現在停止中です。
菅首相はこれまで原子力事故の安定化と、地震と津波によって破壊された地区の再建について、多大なプレッシャーを受け続けて来ました。
そして7月6日のストレス・テストの実施を発表した事により、政権は再び危機に見舞われることになりました。
発表にはストレステストに何が含まれ、どれぐらいの期間が必要かなど、具体的内容が含まれていません。
日本経済新聞の社説には、この発表が「混乱をもたらした」と書かれていました。
金融会社のゴールドマン・サックスは、日本国内の夏の電力需要ピーク時に原子力発電によって十分な電力供給が行われる見通しは遠のいた、という声明を発表しました。
発表の後、日本のエネルギー関連株の時価総額が急激に下落しています。
海江田経済産業大臣(原子力経済被害担当大臣を兼務)は先月、原子力発電所が再開するための安全は確保されている、と発表済みでしたが、さらなる検証が「安心感を高めるため」には必要であると語りました。
木曜日、原子力発電所再開問題について混乱をもたらした責任について国会で追求を受けた際、「しかるべき時期が来たら辞任する」と答弁しましたが、直ちに辞任する状況ではない、と話しています。
津波は福島第一原発の補助発電システムを破壊、冷却システムを動作不能に陥らせ、それがメルトダウン、水素爆発、放射能漏れへとつながって行きました。
福島第一原発を運営する東京電力は、天災に対する充分な備えを怠った事により、厳しい批判にさらされています。
[本日の動画]
「ファウル・ボールを捕球後、男性死亡 - テキサス・レンジャーズの試合で」
危ない事はやめましょう、ほんとうに。
今年の梅雨明けは記録的な早さとなり、日本列島は連日うだるような暑さ。
水の事故も相次いでいるようですが、アメリカではこんな事故が。
テキサス・レンジャーズの試合観戦中、ファウル・ボールを捕球した男性がバランスを崩し、20フィートと言いますから、6メートル程頭から落下して死亡してしまいました。
みなさんも、2011年大震災があった年 - 今年は諸事慎重に、事故の無いようにこの夏を乗り切ってくださいね。
ちょうど福島原子力発電所の状態が流動的であるように、東京電力の財政的な見通しもそうなっています。
日本政府は、東京電力が原子力事故の被害者への補償を行うのを助けるための組織を作成する計画を発表しました。
ただし、この計画は法制化されるわけではなく、新しい組織の詳細についてはぎりぎり九つの要点に絞った、漠然とした枠組み以上のものではありません。これは与党民主党の中でも、どれほど多く論争があったかを証明するシグナルでもあります。
国会において検討されるときには、このプランははるかに大きい検証と、よりヒートアップした議論に直面するであろうことは明らかです。
このように東京電力の将来どうなるかは不透明ですが、いくつかのシナリオが現実化しそうな気配です。
シナリオ1 : 破綻
「容認できない」
東京電力は4,450万の需要家を持ち、その企業規模は日本の国内総生産の中で3番目の規模を持っています。
破綻すれば、東京電力はその地位を全て失ってしまう可能性があります。
したがって東京電力はこれまで通り管内に電力を供給するために、必要な燃料を確保し、支援を獲得するため奔走するでしょう。
シナリオ2 : 国有化
「あり得なくはない」
計画によれば、新体制の東京電力は優先株を発行する事により、(賠償のための)基金を設立する可能性があります。必要となりそうな金額のスケールを考えると、これは、事実上、会社が国有化されることを意味するかもしれません。
日本の政府はすでに東京電力の経営について監視を続けており、いったん公的資金が注入されることになれば、直接経営に関与することになる可能性もあります。これについてはほとんどの報道が、政府は国有化は避けたい意向の様である、と伝えています。
シナリオ3 : ゾンビ企業
「ありそうなシナリオ」
災害に関連するコストと原子力災害の補償のために、東京電力はおそらく何兆円もの新たな負債を抱え込む事になるでしょう。この金額は増大する燃料費を加えれば、東京電力は一年間に1兆円(122億ドル : 75億ポンド)の返済を迫られることになります。
東京電力は運転資金を確保する事はできるでしょうが、これだけの補償金の支払い義務を履行することは不可能です。
とりあえず現体制での経営が許されている間、会社が将来の利益にまでは手をつけずに返済するよう努力したとしても、数年間は黒字化の見通しが立たないでしょう。
つまるところ、返済義務を先延ばしする事は可能かもしれませんが、利益も配当も無い年が数年間続くだろう事は容易に想像できることです。
シナリオ4 : 抵抗
「未知数」
そしてあまり議論されていない事ですが、株主、債権者の利害から東京電力が抵抗姿勢を示す可能性もあります。
想定をはるかに超える天災によって引き起こされた事故による保証義務については、原子力事業者を免責する、という原子力関連法案のことです。
政府当局は今回の事例には当てはまらないとしましたが、法的な決定があった訳ではありません。
事故を起こした原子炉の設計が安全ガイドラインから外れたものである、と証明された訳でもなく、(原子力発電による)クリーン・エネルギー供給は間違いなく国の政策であったのです。
昨年には日本の経済産業省は2020年までに新たに9つの原子炉の建設を いました。同省は政府に対し、この件に関しては経済産業省の裁量に委ねるよう、求めてもいました。
長い目で見れば、福島第一原発とそれについて回る補償義務が構成する負の資産は、政府によって単に肩代わりされるだけである、という可能性もあります。
変わる国家、日本
すべてのエネルギー産業が変わろうとしています。
発電事業と売電事業の分離に関する議論が俎上に上り、原子力政策に発電所の周辺住民の意思が反映されるようになっています。
東電の将来についてどのような結論が導きだされるにしても、日本が検討しなければならない課題は山ほどあります。
※ペン・バワーズは東京を拠点に活動する、CLSAアジア太平洋マーケット(シンクタンク)のアナリストです。
ここに述べられた意見は、バワーズのものであり、特に記さない限りは、BBCによって提示するものではありません。
記事の内容は一般広報に基づいており、捜査機関、税務当局、法務機関等の資料に基づくものではありません。
この記事に根拠にしてのいかなる決断もすべきではありません。
必要な判断等は、その分野の専門家のアドバイスを得るなどの上、貴方自身の責任で行ってください。
今日の動画は本文とは直接関係ありません。
英国BBCは、アメリカABCやNBCと異なり、動画が添付されているとは限らないのです。
もっとも東電の動画は、もう......
そこで今日はNBC自身「めずらしい」と自画自賛の、最後のスペースシャトル・アトランティスの発射台までの準備の様子をご覧ください。
15台のカメラを使っての撮影だそうですが、こういうのは日本のニュースでは見れませんよね。
あのサンダーバードやSF映画よりずっと迫力があります! - 考えてみれば当たり前なんですが。
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今日は昨日のうちに翻訳しておいた、英国BBC放送の「東京電力の今後のシナリオ」という記事を掲載しようと思っていました。
ところが、私が暮らす「夏場、本州で一番涼しい」はずの仙台の気温が、昨日から33度を越え、夜も熱帯夜でウダウダしてしまい、何だか、この話題は気が進まなくなりました。
実を言いますと、NBCやABCの米国ニュースに比べて英国BBC放送の翻訳は、比喩的表現が多いせいもあってホント、面倒なのです。
「なんで、イギリス人はこんな面倒な言い方するんだっ?!」って、暑苦しさも倍増。
なんとか訳し終えましたが、この記事にはイライラ・イメージが......
別の日にまわそっ、と!
という訳で全く個人的事情ですが、今日はスルッと訳せたNBCニュースからお送りします。
日本のニュースでも取り上げられたようですが、NBCのニュースでは嵐のまっただ中の中継がありました。
一歩間違えれば命に関わる実況中継をご覧ください。
でも、ニュースの最後のブライアン氏のコメント、痛烈ですね。
ブライアン・ウィリアムズ :
昨日の夜遅く、これからご紹介する映像が世界中に発信されましたが、まるで編集中の映画のワンシーンのようでした。
砂嵐の一部でありながら非常に危険で、動きの速い雲が数分のうちに、アリゾナ州フェニックスの都市をすっぽりと覆ってしまいました。
砂嵐は空港とほとんどの交通機関を運行不能にし、午後の太陽と空を覆い隠してしまいました。
KPNX(NBC系列の地方局)気象予報士のロブがその真ん中に居合わせました。
嵐の中の気象予報士「『止まれ』の標識がバタバタいっています。この激しい風の中で標識がどれほど強く揺さぶられているか、ご覧の通りです。しかし、映像の始めの方でご覧になったように、青空はこの巨大な砂嵐のすぐ上にあるはずなのです。
信じられない光景です。」
ロブがフェニックスから今夜、この映像を彼が提供してくれたおかげで、何が起きたのかがよくわかります。
「ロブ、フェニックスではこうした現象はしばしば発生するのですか?
正体は、そして、このような砂嵐が発生する仕組みは、どうなっているのですか?」
ロブ「はい、ブライアン、そうですね、こちらでは夏場に起きる様々な気象現象を、モンスーンと呼んでいます、乾燥したモンスーンです。
夏場、サンダーストーム(雷鳴と稲妻を伴う激しい嵐)が発生しますが、そこからは非常に強い風が吹き出してきます。ここでは大体年に3,4回のこうしたサンダーストームに見舞われますが、これほど大きく、長時間続いたものは近年見かけた事がありません。昨日の出来事は本当に信じられない程のものなんです。」
ブライアン「それに、ロブ、私はイラクやペルシャ湾で、あなたが体験したのと同じような恐ろしい砂嵐の中にいた事があるんですが、砂が知らぬ間にあらゆる場所に入り込んできます。家の中はもちろん、電子機器や車の中にまで。ひどさは同じなんでしょうか?
だとすればフェニックスの住民の方々は、今日はその後片付けでたいへんなんじゃありませんか?」
ロブ「いやまったく、その通りです。だれもが、本当にたくさんの人々がこの砂嵐に大変な目にあわされていて、私自身も車のクリーニング業者のストックが欲しいぐらいです。
ガレージにしまっていたにもかかわらず、まるで茶色にコーティングしたみたいになってしまった何台もの車の写真は、ちょっと見ものですよ。完璧に砂塵でコーティングされているんです、砂嵐の中にあった訳じゃないのに。
誰の家のプールの水面も、今ではすっかり茶色にコーティングされてしまっています。」
ブライアン「そうですか、母なる自然は、誰がこの地上のボスなのかを、再び私たちに思い知らせたという訳ですね。ロブ・カール・マーク、貴重な映像、そしてこの番組に出演してくれてありがとう。」
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- アメリカABC放送ワールド・ニュース -
アメリカ経済の回復が執拗なまでにゆっくりとしか進まないこの間、1,400万もの人々がまだ仕事を探している一方で、経済社会の頂点にいるごく一部の人々は、いろいろなことが確実に上向いています。
私たち一般労働者の賃金が1.5パーセント上昇したその同じ2010年、CEO(最高経営責任者)の報酬は平均23パーセント上昇したことが、ニューヨーク・タイムズの最新のレポートによって明らかとなりました。
経営者層の報酬に関するデータを提供している米エキラー社が、ニューヨーク・タイムズに提出した報告書により、マスメディアの最高経営責任者報酬の平均額が1,080万ドル(8億6,400万円)に達した事がわかりました。
レポートによれば、昨年ディレクTVのCEOには3,300万ドル(26億4,000万円)が支払われました。 オキシデンタル・ペトロリアム(石油・ガス)の社長には7,600万ドル(60億8,000万円)が支払われました。1回の株式提供を含む新しい長期契約に調印した後に、ヴァイアコム(米メディア・コングロマリット)の社長が一年で手にした報酬は8,450万ドル(67億6,000万円)で、すべての最高経営責任者の中でトップになりました。
対照的にニューヨーク・タイムズによれば、平均的アメリカ人労働者の2010年の平均週給は752ドル(約6万円)で、一年間で0.5%だけ上昇しています。
「CEOの報酬は、平均的な労働者の賃金を上回って増加する傾向があります。つまるところ、2010年はアメリカの一般企業にとって、良い業績を上げた年だったというわけです。」とコロンビア大学法学大学院のロバート・ジャクソン・ジュニア教授は語ります。
「私には、本当に厄介なのは、アメリカの一般企業の業績が順調に推移し、それを上回って最高経営責任者の収入が伸びたということの様に思えます。 それはすなわち、彼らの最高経営責任者報酬は、株主利益をかなり上回ったという事なのです。」
「2008年の時点では企業の業績は相当に低下していましたが、CEOの報酬は株主への配当金が減少した程には減少しませんでした。そのため(一般庶民である)私たちにばかりしわ寄せがきて、大切なものは手に入れられずじまい、といった思いをさせらました。」
「最高経営責任者の報酬に関する基本的な問題は、幹部社員自身が自身の報酬の決定に関与するということです - 彼らは、報酬の額を決定する会計責任者への影響力がありますから。」と、ジャクソン教授は語ります。
「私が思うのは、CEOたちに対して『もらいすぎだ』と感情的になるよりも、私たちにとってもっと大切で、しかもずっと効果的な方法があるという事です。
それは現在、経営者が役員室の中で独断的に行っている事を、私たちが変える事のできる手順を考えだす事です。
そうすれば、最高経営責任者報酬が、業績や経営状態に応じた、より公正なバランスによって決められる事になるでしょう。」
経営陣は雇用しないという - より少い労働者により多く労働されば - いくつかの点で見返りがあります。
ではなぜ、労働者の方は同じようには報いられないのでしょうか?
労働者は彼らが生産・提供した商品やサービスが、市場において競争力を維持できる範囲内でのみ給与が支払われます。
対照的に最高経営責任者の報酬は市場からの影響をそれほど受けている訳ではありません。
こうした事はフェアではありませんが、(日常的に見られる事なので)別に驚く程の事でもありません。
こうして見れば、労働者の賃金が上がるまでは、もうしばらく我慢を強いられることになりそうです。
「投資家に配当を出せるだけの余裕が企業にある限り、ボスもまた取れるものは取るからです。」ジャクソン教授は語ります。