【 福島第一原発事故は、活気に満ちた街をゴーストタウンに追いやる〈後編〉 】
▽ 政府への信頼の弱さ
公式の安全ガイドラインの度重なる変更、そして原子力事故への具体的対応策の作成に何ヶ月もかかった事は、政府に対する不信の念を深めました。
福島第一原発から250km離れた東京の放射線量は、政府の公式発表によれば、事故後毎時0.3マイクロシーベルト上昇しているだけで、充分に安全圏内にとどまっています。
しかし、こうした発表を信じる人はわずかです。
「私たちはこの6ヶ月間、子ども達を外で遊ばせていません。」
現在、避難地域にある4つの学校からの生徒も加わり、混雑している建物の中で運営されている、南相馬の放課後クラブの中川ゆか先生は話します。
「子ども達がどうやって遊んでいるか、様子を見てください。子ども達は手に持った人形を揺さぶり、地震が襲ってきたかのように『どどどどど』と叫ぶのです。あるいは津波にのまれて、溺れる真似をするのです。」
「それは子ども達が状況に対処していくための、方法のひとつです。なので私たちは、じっと見ているしかありません。」
▽ 原子力への問いかけ
1986年のチェルノブイリ以来最悪となった、日本の福島第一原発の3月11日大災害の規模は、IAEAにも多大の懸念を抱かせ、今年6月上旬に原子力の安全性に関する特別閣僚会議を開催させる事になりました。
IAEAの国連原子力監視機関の日本人事務局長天野之弥は、世界の30カ国にある440基の原子炉の安全を確保する事を目的とするため、福島の事故を教訓とするロードマップ作成を委嘱されています。
東京電力福島第一原発の事故と、イランの核兵器開発疑惑をきっかけにつくられた、世界の安全性に関する『行動計画』は来週、国連核監視機関の会合を主催します。
また、ウィーンで開催予定の国際原子力機関(IAEA)の理事クラスの会議は 、シリア・北朝鮮問題、そして中東域内での核兵器廃絶に向けた取り組みの最初のステップとなります。
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この記事が伝える震災後の福島の子どもたちの姿には、心が痛むものがあります。
だからこそ、私たち日本人はこの子どもたちを、どこまでも守っていかなければならないのだと思います。
どこかで一度書きましたが、この国の子どもたちが、この国の未来そのものなのです。
その子どもたちを傷つけたり、汚染する事が許されるはずがありません。
しかし、この国にいる一部の醜い老人たちは、傲岸不遜の態度を取りながら、声をあげる事のできない子どもたちの未来を台無しにする危険が伴う事業を、なおも続けようとしています。
きちんと議論をするかわりに、声を上げようとする人々を陥れ、子どもたちを守ろうとする親たちを孤立させようとしています。
幸いに今はこうしてインターネットが普及し、ツイッターやフェイスブックなどのツールを誰もが使えるようになって、私たちも声をあげる事ができるようになりました。
短期間の盛り上がりだけでは、おそらくは良い結果は得られないだろうと思っています。
ひとつひとつ事実と証拠を積み上げ、世界の共感と応援を得ながら、私たちが望む結果が得られるまで取り組みを続けたいものです。
この『星の金貨』がそのために、本当にささやかでも貢献ができたら、そう願っています。
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【9月26日公開されたワシントン記念塔の中のパニック】
アメリカNBCニュース 9月26日
ブライアン・ウィリアムズ :
今日、驚くべき映像が公開されました。
この映像はわが国のもっともよく目にする代表的な施設の中で、何が起きたのかを伝えています。8月に深刻な大地震がワシントン記念塔を襲いましたが、それ以来同施設は一般公開されていません。
監視カメラは最上階の天井に設置されています。この場所は地上500フィー ト(約150メー トル)の場所にあり、画面の左下に女性警備員の姿が映っています。
地震が起きた瞬間、観光客の誰もが揺れを感じている様子が見てとれます。
もしあなたがこの場所にいたら、最初の2秒間は何が起きたのか理解できなかったでしょう。
ここにいる観光客の人々も、最初はテロによる攻撃の可能性を考えました。
天井の一部が崩落している様子がわかります。埃が舞い上がり、観光客はひとまとまりになって階段を降りていきます。数人は子供たちを抱え上げています。少なくとも警備員はその場所にとどまり、最上階から全員が避難するのを誘導しています。
以上が今日公表されたビデオの内容です。
今夜、記念塔の下にいるトム・コステロに解説してもらいましょう。
この映像を見る限り当局者が言うように、記念塔が建築物としては全く問題ないとは思えないのですが。
明日になれば何かわかりますか?
レポーター:たぶんその通りになると思います。私は画像に映っていた警備員に話を聞くことができました。彼女はテロ攻撃を受けたと思ったようです。
この場所はマグニチュード5.8の地震の震源から80マイル(約130キロ)ほど南にあります。
記念塔は確かに損害を受けています、明らかになったのは内部の亀裂と外側の先端部分近くの損傷です。幸いなことに、その時中にいた観光客で崩落する石片などによりけがをした人はいませんでした。
明日から5日間、技術者による調査グループが、建物全体について詳細な点検を行うことになっています。グループはすでに先端部分の亀裂を確認していますが、大雨に備えた補修工事が必要です。エレベーターも損傷を受けました。
点検作業は10月半ばまで続く予定です。管理委員会が近々、再開などの今後のスケジュールを公表する予定です。
ちょうど1年前、この記念塔は125周年の記念式典を行いました。
「この記念塔を建設した人々は、自分たちが何をすべきかを ちゃんと理解していました。」
今日、記念塔の責任者はこう語りました。
ブライアン・ウィリアムズ :
驚くべきことですね。
500フィートもの高さがあり、左右に揺さぶられただけでなく、上下の縦揺れに見舞われてなお、リンカーンの時代に建設された記念塔はそこに残ったのですから。
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