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〈 放射線による健康被害と食品汚染[1] 〉英国BBC / 動画【チェルノブイリ 終わりなき人体汚染】

読了までの目安時間:約 7分

私が住んでいるのは仙台市宮城野区の住宅団地ですが、もともと仙台市が造成したためか、付近にはいくつか障害者の方の施設があります。朝、施設に通う障害者の方とすれ違ったりするのですが、
「なんで、この人たちだけがこんな困難を背負ってしまったのだろう。」と悄然としてしまいます。
ダウン症やさまざまな障害が、遺伝子の傷によって生まれることが解明されてきましたが、
「たったそれだけのことが、こんな不幸につながるなんて…。」などと独り言をすることもあります。

もうひとつ、私はできれば『チェルノブイリの子供たち』、特にその映像には触れたくない、という思いがありました。
『奇形』という残酷な運命を背負わされた子供たちを見ていると、つらくて、つらくて......この子たちはこの後、どうやって生きていくんだろう、と考えるといたたまれなってしまうからです。
そして、この子供たちを『生んでしまった』両親 – そのほとんどが初代の『チェルノブイリの子供たち』です – の嘆きと絶望について考えると、身も世も無く辛くてしかたがありません。

しかし、福島第一原発の事故について、いまだに
「何十ミリシーベルトの被ばくなんて、大丈夫なんです。」
などという無責任極まりない、科学者としての良心など微塵も感じられない発言が繰り返されるのには、もう我慢ができなくなりました。
冒頭のタイトルに使った部分は、放射線被ばくが遺伝に関し、深刻な影響を与えることを述べた『 質問 ❹ 』の答えの中に語られています。


実は私の長男は東北大学工学部(航空工学・機械知能)の4年生で、現在大学院を目指しています。原子力に関する単位もいくつかとっているため、私はよく原子力に関する質問をするのですが、「要はまだまだ未解明のことが多い」のが原子力だと話しています。ただし、原子力発電の存続については、必ずしも私と意見が同じではありません。

しかし、科学としての中身がどうであれ、事業としての原子力発電は、日本のように地震の多い国では無理だという私の考えは変わりません。

英国BBC制作のこの原稿は非常に長く、質問と答えはNo.13まであり別表も添付されているため、今日から数回に分けご紹介していきます。尚、7月時点の記事のため、現在の状況とは多少異なる点がありますが、ご了承ください。

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【Q&A:放射線被曝の健康への影響 第1回】
リチャード・ウォリー / BBC HEALTH 7月21日

〈 制御不能の福島第一原発からの放射能漏れの、人間の健康に対する潜在的影響への懸念 〉

そこに暮らしていた70,000人の人々に影響を与えた、原発の周囲20km(12マイル)の緊急時避難区域は、現在は原発の北西の5つの市町村まで広げられています。
そこは、放射能汚染が最も著しい地域です。

30km(18マイル)以内に生活している居住者は、地域から避難するか、屋内にいて、家の中にできるだけ外気を取り込まないようにするよう勧められました。

専門家はこうした分類作業が素早く行われていたら、人間の健康に対する悪影響はもっと小さなもので済んだはずだ、と考えています。
しかし、(現実には)現場で働いている作業員が被曝してしまった放射線量と、食品と水の汚染についての懸念が、現実のものとなってしまいました。

■ 質問 ❶『放射線被曝によってすぐに現れる健康被害は何ですか?』

高水準の放射線被曝 - 1グレイ(放射線の吸収線量の基準)を超た場合 - 数種類の放射線障害の症状が現れる可能性が高くなります。
被爆後数時間のうちに吐き気と嘔吐が始まります。そして、下痢・頭痛・発熱が続きます。
この後いったん症状が消失し、落ち着いたように見える時期が来ます。
しかし、これの後数週間のうちに、別の、さらに重篤な症状が現れる場合があります。
高濃度の放射線被曝の場合は、症状はすぐに現れ、全身に広がります。
そして、内臓への損傷がある場合は致命的となります。

4グレイ被曝の場合、一般的にすべての健康であっても半数が死亡します。
比較してみましょう。ガンのための放射線治療では、一般的に一度に照射される量は1グレイから7グレイになります - しかし、これらの放射線は高度にコントロールされており、大体において体のごく小さな領域に、目標が定められています。
1シーベルトは1グレイに相当し、ある種の放射線が組織に損害を引き起こす、その程度に合わせて重くなって行きます。

通常は深刻な症状を引き起こす短期間の被曝よりも、長期に渡って影響が現れる、比較的低いレベルの放射線を測定するための単位として使われます。
1,000ミリシーベルト(mSv)が、1シーベルトにあたります。

個人によってかなりの差がありますが、人々は自然環境から1年で平均して2ミリシーベルトの放射線を浴びています。
英国では、一般市民に対するこのような原子力発電所からの放射線被曝のための法定制限は1年につき1ミリシーベルトです。これは、国際放射線防護委員会の推奨値に基づいています。
非常事態の際は、上限はより引き上げられます - 5ミリシーベルト以上 - ただし、明らかに健康上のリスクが発生するレベルよりもはるかに低く、幅を持たせて設定されています。
〈以降、続く〉

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動画【チェルノブイリ 終わりなき人体汚染】

ご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、今回はチェルノブイリ事故10年後に作成された、日本語のナレーション付きのビデオをご覧ください。Yutubeにアップされているものですが、残念ながら出典は不明です。
本来であれば、アメリカNBC、ABC、CNN、AOL、または英国BBC放送の動画をご覧いただくのですが、例外をお許しください。
今回の記事のBBCのビデオは最終回にアップする予定です。

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