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【 何ゆえ日本の野党は、これほどまでに…?】

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不況に逆戻りし、円高誘導が引き起こした物価上昇に家計が悲鳴を上げ、政権支持率が下がっても尚勝てなかった、その理由とは…
日本の政治劇、国民はもうこれ以上は傍観者であり続けてはいけない

エコノミスト 12月17日

2014選挙02
12月14日に実施された衆議院議員選挙においては、本来であれば野党が議席数を大幅に積み増す条件が揃っていました。
経済は第3四半期に不況に陥りました。
家計は円安誘導策が引き起こした諸物価の値上がりにより、以前より苦しいものになっています。
安倍晋三氏を首相とする政権の支持率は下がりつつけていました。

しかしその結果、選挙そのものが敬遠される事態となってしまったのです。

そして最大野党の民主党は絶好の機会をみすみす逃してしまいました。
前回に比べての議席数の増加は11に留まり、獲得した議席は73と100に届きませんでした。
その議席数は衆議院全体の15%に留まり、次の選挙で過半数の議席を制する可能性を大きく遠のかせることになりました。

主に行政改革等を主張していた有力野党のひとつであったみんなの党は、選挙直前に解散しました。
そして極右の次世代の党も2議席を残し、他の議席をすべて失いました。

集団的自衛権04

こうした中で野党側にとって唯一明るい材料となったのは、日本共産党が議席数を倍以上に増やした事でしょう。
しかしその票に込められた国民の願いが現実になることは望めません。
なぜなら共産党が獲得した議席数では、新たな法律を衆議院で可決成立させることは不可能だからです。

なにゆえ日本の野党は、現実の戦いにおいてこれ程までに力が無いのでしょうか?

その理由の一つは野党自身にあります。
民主党は3年間の政権運営に失敗し、2012年末安倍氏が率いる自民党に敗れて野に下った後から今まで、改革らしい改革を何一つ実現してきませんでした。
民主党の議員は党の改革を党首である海江田万里氏任せにしたまま何もせず、海江田氏自身も民主党の基本となる方針をただのひとつも打ち立てることができませんでした。

12月14日に投票が行われた選挙戦における民主党の準備不足の程度は、そのあまりのひどさに自民党も驚くほどのものでした。国内の100に上る選挙区で、民主党は自民党の対立候補を擁立することすらできませんでした。

集団的自衛権01

みんなの党と維新の会を含む小規模政党は、党組織より際立った存在の人間を中心に動く傾向がありました。
しかし存在の際立つ野党議員は日本においてはひどい目に遭わされる場合が多く、みんなの党の渡辺義美氏も政治資金規正法違反の疑いの渦中の人となりました。

しかし日本の野党が力を発揮できない大きな理由は、自民党が互いに競い合っている派閥の寄せ集めであり、その与党内野党が野党としての役割を担っているからにほかなりません。

安倍首相にとって最も手ごわい相手は、与党自民党内のリベラル派の議員です。
そして奇妙なことに連立与党である公明党もまた、年来の主張が『世界平和の実現』である以上、安倍首相の国家主義政策の推進に対しては「反対」の立場を取らざるを得ません。

自民党は右寄りの国家主義政策を進める一方で、日本の終身雇用制度を支え、企業に対して労働者の賃金の引き上げを求めるなどの本来なら組合が行う左派的な政策も手がけるなど何役もこなし、ために野党が活躍する場がありません。
そして職場における女性の地位向上について、強く主張しているのもまた安倍政権なのです。

特定秘密03

現在自民党内には多数の改憲派がおり、現在の平和憲法は1946年に当時日本を占領していたアメリカによって押し付けられたものであり、書き換えるべきだと主張していますが、同調する議員は民主党内にもいます。

こうしたことから日本の有権者はどれが本当の自民党なのか、見分けるのに苦労させられています。

最終的に自民党は真の対立軸を作り上げるために、分裂する可能性もあります。

だからと言って日本の有権者は、すべてを傍観し続けて良いはずはないのです。

http://www.economist.com/blogs/economist-explains/2014/12/economist-explains-17?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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民主党の党首選が話題になっています。
『自民との対立軸』を国民目線で作り上げるために私見を述べさせていただければ、細野氏を選ぶべきでしょう。
対立軸の成立を国民に支持してもらうためには、国民が望むものを自民党以上に体現する必要があります。
そのためには
党首が自民と比べ明らかに若い
党役員の平均年齢も若い
女性を大胆に登用している
こうした印象を、国民にはっきりと持ってもらう必要があると思います。
相手は『国営放送』を含め、日本の大手メディアの半数以上を自在に使う事が出来、巧妙な宣伝戦略と世論操作を得意としています。
現在の野党側がいくら滔々と理念を語ったところで、普段政治に興味を持たない層にまでいったい誰が伝えてくれるのでしょうか?
なまなかな戦略で勝てる相手ではないのです。

私自身は誠実そうな人柄だし、岡田氏に別に難点があるとは思いませんが、安倍首相より年上の人が民主党党首になればその分国民の失望を買うことになるでしょう。
それに細野氏は民主党政権時代を通し、『ウソが上手では無い』人という印象があります。
国民は『日本の政治家はウソが上手』だという現実に飽き飽きしているのです。

『ひと目で』国民の心をとらえることができる、そこまでこだわってほしいものです。

そして共産党は20議席ではまだまだ影響力というほどのものは発揮できないのは、この記事にある通りだと思います。
イタリア共産党(現在は左翼民主党)のように30%以上の議席を獲得し、国政の場に弱者の声をはっきりと響かせてほしいものです。

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【 報道写真が伝えた2014年の世界 】《2》

アメリカNBCニュース 12月22日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

year07

9月23日アメリカ、カリフォルニア州の干上がったハンティングトン湖のボート・ドックを、孫を抱いて歩くマリーナのオーナー。
湖は標準の3割の水量しかなく、この数十年間で最悪の干ばつは4,000万人の水道水の供給に脅威を与えました。(写真上)

9月23日アメリカ、アラスカ州北西海岸に集まった8,000頭のセイウチ。
アメリカ海洋大気局は北極海の海氷が不足し、休む場所を失ったセイウチが陸地に集まっていると考えられるとしています。(写真下・以下同じ)
year08
11月12日にニューヨーク市の再建された世界貿易センタービルの68階部分で、動けなくなってしまった2人の清掃作業員を乗せたゴンドラ。
この後2人は消防隊のレスキューがダイヤモンド・カッターを使って窓に穴を開けて救出するまで、風に揺られるゴンドラの中で辛い2時間を過ごしました。
year09
2月20日、ウクライナの首都キエフでビクトル・ヤヌコビッチ大統領の追放を求める抗議者たちと機動隊が衝突を繰り返す現場を、盾と十字架を手に進む聖職者。
year10
1月31日シリアの首都ダマスカスのヤームーク難民キャンプで、国連パレスチナ難民救済事業機関による食糧援助物資を受け取るために行列をする人々。
ヤームーク難民キャンプはシリア国内に9つあるパレスチナ人難民キャンプで最大のものですが、2013年中期以降、政府軍による封鎖が続いていました。
1月以降国連難民救済事業機関は断続的に食料の配給を続けていますが、戦闘の激化によってその配給が数日間途絶することもしばしばです。
year11
7月8日にブラジルのベロリゾンテで開催されたFIFAワールドカップ2014準決勝ブラジル対ドイツの戦いで、ドイツに決勝点を決められ、落胆するフェルナンジーニョ。
ドイツに衝撃的な7-1の大差で敗れ、主催国ブラジルの夢は潰えてしまいました。
year12

http://www.nbcnews.com/storyline/2014-year-in-review/year-pictures-2014-n268806

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