【 脅かされる日本の漁業資源と沿岸漁業、海洋環境に迫る重大な危機 】《後篇》
2011年だけで日本の漁場が1兆500億円の損失を被った
そもそも汚染水の漏出がどこで起きているのか、その状況すら正確にはつかんでいない東京電力
汚染水の貯蔵場所を失ってしまう事態が目前に迫っている
ガブリエル・ドミンゲス / ドイチェ・べレ(ドイツ国際放送) 8月14日
▽ 漁場を襲う衝撃
東京海洋科学技術大学の神田穣太教授は、今日海底で見つかる放射性物質の大部分は、最近汚染されたものではなく、3基の原子炉のメルトダウンが発生した直後の2カ月間に起きたものだと語りました。
最近になって流れ込んだ放射性物質による汚染よりも、事故直後の放射性物質の流入量の方がはるかに大きかったことを指摘した一方で、神田教授はセシウムのような海底に沈殿した放射性物質の影響が消え去るまでには、何十年という歳月が必要であることを強調し、沿岸漁業に対する影響が長期間続くことを指摘しました。
東北大学大学院環境科学研究科の馬奈木俊介(まなぎ しゅんすけ)准教授は、2011年だけで日本の漁場が1兆500億円の損失を被ったと語りました。
ドイツ国際放送の取材に対し馬奈木准教授は、この際に日本の漁業が失った収益は2,600億円に上り、2012年にも少なくとも1,000億円の損失を被ったと語りました。
▽地中凍結策
そもそも汚染水の漏出がどこで起きているのか、その状況すら正確にはつかんでいない東京電力が、ただちに汚染水の海洋への流出を止める措置を採れるかどうか、その点は未だに明らかではありません。
事態の緊急性に鑑み、日本の安倍晋三首相は東京電力の事故収束作業に、政府が直接関わることを約束しました。
まず最初に、400億円の政府予算を投入することが検討されています。
この資金は汚染のひどい破壊された原子炉建屋の基礎部分に地下水が入り込まないようにするため、建屋を囲むようにして地中を凍結させてしまう対策に費やされることになっています。
マサチューセッツ工科大学の原子力工学を専門とするマイケル・ゴレイ教授は、確かに試してみる価値はあると語りました。
「これは民間事業などで、軟弱な地盤を安定させるために使われている一般的な技術なのです。」
確かに地下鉄工事などで使われてはいますが、このような複雑で緊急を要する対策に適しているかどうか、そのような検証は行われたことがありません。
さらにはラマナ教授が指摘するように、再び大きな地震がこの場所を襲った場合、あるいは一時的ではあっても電源が失われてしまった場合にどのような事態につながるかという疑問もあります。
この地中凍結作業は2015年7月までに完了する見込みです。
▽ ひっ迫する汚染水の収納スペース
さらに福島第一原発は汚染水の貯蔵問題にも直面しています。
事故を起こした3基の原子炉では、そこにある核燃料の冷却を続けるため、毎日数百トンの水を必要とします。
核燃料に直接触れたこの水は汚染され、保管し続けるのが困難な程の量の汚染水が作り出されているのです。
現場では汚染水を保管するため、1,000基以上の鋼鉄製のタンクを建造しましたが、380,000トンの収容能力の内すでに85%のタンクがすでに満杯となり、東京電力が汚染水の貯蔵場所を失ってしまう事態が目前に迫っています。
東京電力と日本政府がこの問題に解決の道筋をつけられなければ、汚染水による環境破壊の問題の一層の悪化は避けられません。
この状況について前出の神田教授は、東京電力が汚染水の漏出個所と状況の確認を丹念に行うことにより、汚染水の漏出を大幅に減らすことが可能だと主張しています。
しかし海洋科学の専門家である神田教授は、まずは対策の力点を別の大規模な汚染水漏出を防ぐことに置くべきだと主張しています。
なぜなら「相当な量の放射能汚染水」が原子炉建屋の基礎部分、地中の排水溝、そして地上の一時貯蔵タンク内に存在してしまっているからです。
「これらの汚染水を適切に、妥当な手段を用いて保管し続けること、それをまず優先課題とすべきです。」
神田教授が、このように強調しました。
〈 完 〉
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ガブリエル・ドミンゲス / ドイチェ・べレ(ドイツ国際放送) 2013年8月14日
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ドイツ国際放送 8月14日
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