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【 政権の御用報道に堕ちてしまった日本のジャーナリズム : アベ・メディアノミクス 】

読了までの目安時間:約 6分

安倍晋三首相による『アベ・メディアノミクス』、日本のジャーナリズムは結局のところ『取り巻き報道』
度を越している先進国ニッポンの報道機関、その自己検閲姿勢

アルジャジーラ 5月31日



日本では『記者クラブ』という名称の組織が、その時々の報道の傾向を決定しています。
そして彼らは政府高官しか知らない情報を教えてもらったり、記者会見への出席を認めてもらう代わり、政府高官や政府官僚が言うがままの報道を行っているのです。

しかし日本ジャーナリストたちの中には、政府が望む通りの内容を報道するよう強制するこうした長年の慣行に反し、独自に事実をありのままに伝えようとする人々も、一部に限られますが存在はしています。

昨年12月に実施された抜き打ちの総選挙において、安倍晋三首相率いる政府与党は満足の行く勝利を手にしましたが、アベノミクスとして知られるその経済政策は、決して成功と呼べるほどの結果を出している訳ではありません。

雇用問題共産党
そして安倍政権が進める原子力発電所の再稼働政策も、福島第一原子力発電所の事故の悲惨な結果を目の当たりにした国民の側から見れば、納得には程遠いものです。

2015年1月、安倍首相は中東を訪問し、イラクとレヴァント諸国(地中海の東側沿岸国、キプロス、エジプト、イスラエル、レバーノン、シリア、トルコ)の中で、イスラム国(ISIL)との戦闘を行っている国々に対する2億ドルの非軍事援助を申し出ました。
しかし日本人の一部には、どのような形であれイスラム国(ISIL)との戦いにおいて重要な役割を担うという安部首相の決意は、長年日本の平和を守ってきた日本国憲法の存立を脅かすことになると考える人々がいます。

憲法第9条01
しかし日本のジャーナリストは結局、その大勢において政治指導者の意に逆らわないようにする途を選びました。
自己検閲は多くの国々で問題になっています。
しかし日本のそれは、先進国中度を超した状態にあります。

今年、有名な生放送のテレビ報道番組が中東問題を扱った際、安倍政権に批判的な立場のニュース解説者が『I’m not ABE』というボードを掲示し、国内で物議をかもしました。
結局こうした形の問題提起も、当のニュース解説者が実質的に放送界から締め出されてしまうという、告発者のキャリアが『傷つけられる』という結果に終わってしまったのです。

古賀氏 2
動画ではジョン・ヤングが日本のジャーナリズムと、安倍政権が行なっている『アベ・メディアノミクス』の実態の解明を試みます。

※動画の再生がうまくいかないときは、下記URLのアルジャジーラのサイトでご覧ください。
http://www.aljazeera.com/programmes/listeningpost/2015/05/japan-politics-power-press-150531104643193.html
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【 2015年「夜の世界」- 地球と夜空の写真コンテスト、夜空の素晴らしさと地球の光害 】《1》

アメリカNBCニュース 6月17日

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第6回の国際地球と空の写真コンテストでは、地上の人間たちの現実世界と、その頭上に広がる自然の美しさのコントラストを見事に表現しています。
2014-2015年のコンテストには約1,000点の応募があり、「夜空の美しさ」と「人工光害」の2つの分野で入賞作品が選ばれました。

「人工光害」の分野で第1位となったのは南アフリカのエリック・ネーサン氏の『テーブル山の上の星の光跡』です。
この作品はケープタウンから見ることが出来る星の光跡と街の明かりをとらえるため、30秒間の長時間露出シャッターを数百回も繰り返して撮影されました。(写真上)

ロシアのリュボフィ・トリフォノフによる『魔法をかけられた森』という作品は、月の光と緑色のオーロラに照らし出されるムルマンスクの雪景色と夜空を撮影した作品です。
トリフォノフ氏の写真は、「夜空の美しさ」部門の最優秀作品に選ばれました。(写真下・以下同じ)
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「夜空の美しさ」部門第2位のブラッド・ゴールドパイント氏の『月明りのダークリング』。
夏の夜、月明かりに照らし出された国立公園レーニア山の上の夜空に広がる銀河の写真です。
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ロシアの北コーカサス山脈、エルブルス山のテルスコル天文台の上に、雄大なキャンバスに描いたように広がる銀河。
エフゲニー・トリスコ氏によるこの写真は『光害より上の世界』と名づけられ、「人工光害」部門で第2位を獲得しました。
この写真は題名通り、人工光害の有害さを訴えるものとなりました。
「光害... それは電力の無駄であるだけでなく、美しい星空を見えなくし、生態系すら破壊し、人間を始めとする地球上の生物の健康を損ねるものです。」
夜の世界の姿を見事にとらえたトリスコ氏がこう語りました。
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ベン・コフマン氏の作品は、早い冬の朝早くにオレゴン州のクレーター湖国立公園の夜空に輝く三日月を撮影したものです。
「夜空の美しさ」部門の第3位の作品です。
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http://www.nbcnews.com/science/space/world-night-highlights-winners-earth-sky-contest-n377191

【 再生可能エネルギー100%社会を実現するドイツ・目標は2050年】《後篇》

読了までの目安時間:約 7分

気候変動問題に対する自分たち世代の責任行動、それが再生可能エネルギー供給100%を超える社会の実現
再生可能エネルギーによる発電、自前の送電網の整備、住民自らの取り組みにより電気代は一気に3分の1に減少

アンドリュー・ボーエン / ドイチェ・べレ(ドイツ国際放送) 5月28日

フェルドハイム02
▽新たな自分たちの送電網

フェルトハイムの中、そしてその成功を見て周辺の自治体が次々と再生可能エネルギー開発に踏み出して行きましたが、エネルギーの自給自足社会の実現にはまだ大きな障害が残っていました。

電力会社E.ONは送電網をフェルトハイムに売却することも、賃貸することも、その両方を拒否したのです。
こうした嫌がらせに対し、フェルトハイムもエネルジーケレも屈することはありませんでした。
彼らは独自に送電・受電が出来る送電網と、暖房用の配管のネットワークの建設に取り組むことにしたのです。
財源はEUの助成金と事業用資金の貸し出し、そして村人一人当たり3,000ユーロ(約415,000円)の拠出金でした。

2010年、村民たちが築いた送電網に電気が流されました。
そしてここに従来の大規模発電事業から完全に独立した再生可能エネルギー100%社会が実現し、各家庭の電気代は一気に3分の1になったのです。
そして同時に自他ともに認めるカーボン・ニュートラル(炭素循環型)社会が実現したのです。

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しかしカーボン・ニュートラルという名称については、幾分割り引く必要があるかもしれません。

ドイツの法律はこうした送電網との接続を、自宅の所有者に限っています。
フェルトハイムの住民であっても、少数ですが賃貸住宅で暮す人は従来の送電網から、他のドイツ国内で暮らす人々と同じ電気を購入しなければならず、その電気は再生可能エネルギー100%ではありません。

しかし在留英国人で海外からのフェルトハイム見学者のためのガイドを務めるトンプソンさんは、最終的には法律が改正され、村の全員が独自の送電網を使って再生可能エネルギーの供給を受けることが出来るようになることを期待していると語っています。
さらにフェルトハイムではすべての発電設備が停止しても、2日刊村に電気を供給できる大型の蓄電池の設置を現在進めていますが、この秋には稼働を開始する予定になっています。

▽ 模範例?

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フェルトハイムについて発信された情報の総量は莫大なものになり、村はちょっとした観光の名所になりました。
この村には一日平均3,000人の訪問者がやってきますが、その中には福島第一原子力発電所の事故を受け、次の世代のためのエネルギー源について模索する日本人の姿を数多く見かけると言います。

オーストラリアで持続可能エネルギーの開発普及に取り組む活動家のリン・ハヴィーさんは、最近フェルトハイムを訪れましたが、村民が自前の送電網を整備したその取り組み姿勢に感動したと語りました。

同じくオーストラリアのビクトリアから見学に来たリッデルズ・クリークさんは、故郷で同じ取り組みを実現させるのは難しいだろうと語りました。
ひとつはビクトリアという都市の規模、もうひとつは大手電力会社の存在です。
「気候変動の問題については、私たちの世代がなんとか解決のための糸口を見つけ出さなければなりません。」
リッデルズがこう語りました。
「それは、人々次第です。言えることは、私たちは先行する事例が存在する場所まで出かけていき、この目で確かめ、学ぶべきものを学び取る必要があるという事です。」

フェルトハイム
フェルトハイムの住民たち、そしてその再生可能エネルギー開発に携わった人々は、ここと同様の成功を世界中どこでも実現することは極めて難しいことであることは解っています。
しかし先出のトンプソンさんは、フェルトハイムではいくつもの幸運があったことを認める一方で、巨大電力会社などが圧力をかけてきたにもかかわらず、一丸となって再生可能エネルギー100%社会を実現した村の人々の不屈の精神を、過小評価するべきではないと考えています。

〈 完 〉
http://www.dw.de/feldheim-germanys-renewable-village/a-18466800
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【 自暴自棄…トルコ国境に溢れるシリア難民 】《2》

アメリカNBCニュース 6月15日
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)

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激しい戦闘が続くシリア北部から国境のフェンスを超えてトルコへ逃れようと、数千人のシリア難民が国境付近に溢れています。
現在シリアのクルド人武装組織が、イスラム国(IS)が支配する拠点都市のひとつに対する攻勢を強めています。
この都市はイスラム国(IS)の事実上の首都に近く、国外からの重要な補給路であり、双方にとって重要な戦闘となっています。
これに対しトルコ側は、この地における難民の受け入れ能力には限界があり、難民流入を制限する措置をとっていると語っています。

6月15日のトルコ、シャンルウルファ、アクチャカレ、国境のフェンスを破壊し不法入国するシリア難民(写真上)

次々とトルコ領内に逃れるシリア難民。(写真下・以下同じ)
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トルコ・シリア国境の金網で囲われた緩衝地帯に留め置かれたシリア難民の幼児。
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トルコ領内から遠望するシリア、アブヤド郊外への空爆。
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自宅付近が米軍機の空爆を受ける様子を見て、泣き崩れるシリア難民の女性。
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http://www.nbcnews.com/news/world/syrian-refugees-flee-turkey-n375461

【 再生可能エネルギー100%社会を実現するドイツ・目標は2050年】《前篇》

読了までの目安時間:約 6分

再生可能エネルギー供給が100%を大きく超える社会が、すでに実現されている
巨大電力会社所有の送電網利用の拒否に対し、自前の送電網を建設、電気代は一気に3分の1に

アンドリュー・ボーエン / ドイチェ・べレ(ドイツ国際放送) 5月28日

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ドイツは2050年までにエネルギーの100パーセントを再生可能エネルギーから得ることが出来るようになる、一部の専門家はそう確信しています。
再生可能エネルギー100%社会、それは遠いゴールのように見えるかもしれません…
しかし実は、ブランデンブルグの小さな村では、すでに成し遂げられたものなのです。

フェルトハイムの住民に、彼らが暮らす村について説明してくれるよう頼んでみましょう。
少なくともひとつの点については、同じ答えが帰ってくるはずです。
静かさです。

ベルリンの南西約60kmの場所にあるフェルトハイムは、人口わずか128人の小さな村です。
見ただけでは何の変哲もありません。
しかしこの村のたった一本のメインストリートの下に張り巡らされた電源ケーブルと暖房用のパイプに電気を供給しているのは、すべて再生可能エネルギーです。

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51歳のペトラ・リヒターさんは、フェルドハイムで生まれ育ちずっとこの場所で暮らし、現在村長の役を担っています。
彼女はこの村が実現したことを、大変誇りに思っていると語りました。
「村の人々がみんなで力を合わせ、短期間のうちにチャンスをものにしたことにより、この取り組みが実現できたと考えています。」

▽ 風力からバイオマスへ、そして太陽光へ

フェルトハイムの取り組みが始まったのは1995年でした。
当時工学部の学生であると同時に起業家であったミカエル・ラシュマン氏が、地元の農業協同組合が所有する農場に4基の風力発電タービンの設置を提案しました。
比較的平地が多く風の強い気候は、風力発電にうってつけであることが解りました。

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ラシュマン氏も共同経営者のひとりである再生可能エネルギー会社エネルジーケレ(Energiequelle)社と協力しながら、フェルトハイムは風力タービンの数を47基にまで徐々にふやしていきました。

「プロジェクトは最初から今日の形をめざしていた訳ではありません。徐々に徐々に現在の形になって来たのです。」
近所に住む在留英国人で、フェルトハイムの再生可能エネルギーシステムのツアーガイドをするキャサリーン・トンプソンさんがこう語りました。

フェルトハイムでは最新最大の風力タービンは、1基だけで年間900万キロワットの発電を行っており、1基で村全体の電気需要を十二分に賄うことが出来ます。
フェルドハイムで再生可能エネルギーによって生み出される電気の実に99%は、市場に売電されているのです。

太陽光4分ごと
風力発電所の成功を基に、農業協同組合は事業を多角化しました。
穀物価格の下落と光熱費の値上げに直面したフェルトハイムの農協はバイオガス発電所の建設を決定しました。
この村ではトウモロコシと穀類の実をとった後の葉や茎、そして豚と牛の糞を混ぜ合わせたものをメタンガスに転換させます。
このガスは村のすべての家々の暖房用の燃料となっています。

そして2008年、バイオガス発電所が稼働を始めた年、フェルトハイムとエネルジーケレは太陽光発電システムの設置を開始しました。
太陽光パネルが遺棄さられた旧ソビエト軍の軍事設備の跡地に設置され、現在、一般家庭600世帯分以上の電力を生み出しています。

〈 後篇に続く 〉
http://www.dw.de/feldheim-germanys-renewable-village/a-18466800
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【 自暴自棄…トルコ国境に溢れるシリア難民 】《1》

アメリカNBCニュース 6月15日
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)

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激しい戦闘が続くシリア北部から国境のフェンスを超えてトルコへ逃れようと、数千人のシリア難民が国境付近に溢れています。
現在シリアのクルド人武装組織が、イスラム国(IS)が支配する拠点都市のひとつに対する攻勢を強めています。
この都市はイスラム国(IS)の事実上の首都に近く、国外からの重要な補給路であり、双方にとって重要な戦闘となっています。
これに対しトルコ側は、この地における難民の受け入れ能力には限界があり、難民流入を制限する措置をとっていると語っています。

6月15日のトルコ、シャンルウルファ、アクチャカレで、国境を通過するため国境ゲートに向かうシリア難民の親子。(写真上)

国境のフェンス越しに、幼児をトルコ側に越境させようとする男性。
国境のフェンスにはすでに大きな穴が開けられています。
トルコの当局者は6月1日から半月ですでに13,400人のシリア難民がトルコ領内に入り、現在も2,500人が受け入れを待っていると語りました。(写真下・以下同じ)

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数千人のシリア難民を前に、警備にあたるトルコ軍の車両。
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結局ここにいた難民は14日午後に一斉に国境を突破し、トルコ軍側はあまりの大人数になす術がありませんでした。
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http://www.nbcnews.com/news/world/syrian-refugees-flee-turkey-n375461

【 太平洋戦争中の日本軍の非人道行為、歴史の真実と向き合う勇気を持て!】

読了までの目安時間:約 8分

村山元総理、河野元官房長官、安倍首相に歴史誠実に向き合うよう求める
一国の総理自らが戦争記録を改ざんしようとすれば、国際社会における日本人の信用を傷つける結果になる
些細な瑕疵を根拠に多くの歴史家が認めている事実を否定し、従わない人間を攻撃する日本の歪曲主義者たち

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 6月10日

村山・河野
旧大日本帝国が第二次世界大戦(太平洋戦争)中に行った非人道行為の数々について、日本政府として公式の謝罪を行った立役者の2人が、安倍首相に対し、これ以上国際社会における日本人の尊厳を傷つけることの無いよう、勇気ある対応をとるよう求める会見を行いました。

第二次世界大戦(太平洋戦争)敗戦50周年の節目に、日本政府として公式に謝罪する声明を行った村山富市元首相は、安倍首相が今年8月同じく70周年声明を公表する際、戦時中の日本の記録を「ありのままに省略する事無く、」話さなければならないと語りました。

これまでの首相が第二次世界大戦(太平洋戦争)中に日本が行った非人道行為とそのことに対する反省について用いた重要な表現について、安倍首相は『前向きの声明』と称し、言い換えたり省略したりして上辺を繕うつもりなのではないかという懸念が、アジア諸国と米国内で広がっています。

「国際社会は、安倍首相が本当は何を考えているか、見極めようとしています。」
村山元首相は語りました。
「安倍首相がこれまで大きくしてきた国際社会の疑念を、払しょくすることが大切です。」

従軍慰安婦02
1995年8月15日、社会党出身の村山富市首相がかつてない姿勢を表しました。
「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。」
この点について村山首相は、第二次世界大戦(太平洋戦争)中に日本の軍国主義の犠牲者に対し、「心からのお詫びの気持ちを」表明したのです。

これに対し今年初めに行われたテレビ取材の中で、安倍首相は自身の声明の中ではこれらの重要表現は使わないつもりであることを示唆しました。
日本の軍国主義による傷跡が未だ癒えていない中国と韓国は、こうした動きに怒りを露わにしました。
しかし安倍首相は主に朝鮮半島から徴用され、軍組織内での売春行為を強要された200,000人に及ぶ若い女性たち、いわゆる従軍慰安婦に公式の謝罪を繰り返すことも拒絶しました。

1993年当時の官房長官であり、日本政府関係者として初めて公式に「従軍慰安婦」問題に関する謝罪を行った河野洋平氏は、安倍首相が進めている歴史的事実を改ざんして日本史の上辺を取り繕おうとする行為は、結局は国際社会における日本人の評価を貶めることになると警告しました。

I'm not ABE
6月9日火曜日、村山元首相と並んで東京で行われた記者会見の席上、河野氏は従軍慰安婦問題の扱いで日本と韓国の関係を悪化させてしまったことは、『非常に残念な事』であると語りました。
河野氏は、当時日本軍が行なった行為は他の参戦国のそれと何ら変わりないと主張する、歴史を書き換えようと謀る人間たちについて、次のように語りました。
「彼らが認めることを拒否しているのは、歴史の真実です。すでに多くの歴史家が事実だとしていることについて、彼らは些細な瑕疵を根拠に、その事実を否定しています。」

河野氏の『談話』、そして村山氏の『声明』は、日本が初めて歴史の真実と向かい合い、本物の後悔と反省の念を表そうとした象徴的出来ごととして、韓国、中国の両国から評価されました。
しかし安倍首相は戦後、日本が太平洋戦争中に行った数々の事歴についての批判的な見解を『自虐史観』と名付けてこれを攻撃し、戦前戦中の大日本帝国についてもっと前向きな評価をしなければならないとする 『新世代保守』政治家を代表する人物です。
安倍首相とその周囲の保守タカ派の政治家たちは、従軍慰安婦の史実の存在そのものは否定しませんが、彼女らが軍によって強制的に挑発されたということに疑問を呈しています。
さらに安倍首相は、朝鮮半島と中国の一部を日本が『侵略』した事実についても、その表現が妥当なのかどうかと疑問視する態度を取っています。

従軍慰安婦01
安倍首相は歴代の謝罪声明を支持すると発言していますが、今年日本が太平洋戦争に敗北して70周年を迎える8月15日に出される声明は、『武力による侵略』『植民地支配』『極悪さ』等の文言を盛り込むよう迫る国内外の圧力に抵抗する内容になるとの一般的な観測がますます有力になっています。

右翼の国家主義者・歴史を書き替えようとする政治家たちが影響力を振るい、日本の公式文書にその影響がはっきりと見てとれるようになった結果、中国と韓国との関係は悪化しました。
この数ヶ月程の間に中国の習近平国家主席と安倍首相の間には和解に向けた動きも見え始めましたが、韓国の朴大統領と安倍首相の公式会談は未だに開催されていません。

http://www.theguardian.com/world/2015/jun/10/shinzo-abe-risks-disgracing-japans-people-by-glossing-over-war-record
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『慮外者』という言葉があります。思慮分別のない人間のことですが、これだけ国際化が進んだ現代において、議論するのではなく、一国の歴史のみ改変してしまおうとする人間たちは、まさにそれだと思わざるを得ません。

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【 今週の傑作写真から 】

アメリカNBCニュース 6月13日
(掲載されている写真をクリックして大きな画像をご覧ください)

week 1
6月9日、ウクライナの首都キエフから南西約30kmの場所で発生した、給油所火災現場で消火活動にあたる消防士。
この火災で住民数百人が避難しなければならなくなりました。(写真上)

アゼルバイジャンのバクーで6月10日から開催されるヨーロッパ競技大会の会場、ヘイダー・アリエフセンター内を歩く子どもたち。(写真下・以下同じ)

week 2
6月10日、シリアの紛争地帯から国境を越えてトルコのシャンルウルファに逃れてきて、トルコ軍兵士に支えられるシリア人女性。
week 3
6月9日、ソウル市の地下鉄車両を防護服を着て消毒する職員。week 4
6月7日、パレスチナ、ガザ市内のモスクで開かれた夏休みの子供向けの特別講習会で、コーランを広げる少女たち。
week 5
http://www.nbcnews.com/news/week-in-pictures/week-pictures-june-4-11-n373696

【 崩壊していく!先進各国の原子力産業 】《3》

読了までの目安時間:約 7分

フラマンヴィルで建造中の原子炉の重要部品に使われている鋼材に、重大な欠陥
建造中の原子炉を分解し、部品の作り直しを行う必要性も - 数百億の追加費用、際限も無い工期延長の恐れ
建造中の巨大原子力発電所、計画放棄の方が『合理的選択』である可能性も浮上

デイヴィッド・ジョリィ、スタンリー・リード(パリ) / ニューヨークタイムズ 5月7日

フラマンヴィル(建設中)
フランスの原子力産業界にとってさらに悪いニュースが、つい最近明らかになりました。
4月7日、フランスの原子力監査機関(Autorité de Sû reté Nuclé)は、アレバ社がフラマンヴィルで建造中の原子炉の圧力容器と格納容器の上部と底部の蓋に使われている鋼材に、欠陥が確認されたと発表したのです。

原子力監査機関のピエール-フランク・アプス総裁はこの欠陥が「深刻である」「場合によっては致命的である」と語りました。

原子炉圧力容器と格納容器は原子力発電所の主要な設備です。
圧力容器と格納容器は、内部で起きる核分裂反応によって発生する高熱、圧力、そして放射線を閉じ込めるためのものです。
フラマンヴィル原子力発電所の重要設備で使われている鋼材は、フランス、ル・クルーゾにあるアレバ社の製鋼工場でつくられたものです。
アレバ社自身の成分分析の結果、大量の炭素が含有されていることが明らかになりましたが、炭素は不純物であり鋼材の剛性を損なう結果につながる可能性があります。

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同じ製鋼工場で同じ工程によって生産された鋼材が、現在中国山東省でEDFと中国広東核電集団が共同で建設中の泰山原子力発電所でも使われています。
一方、フィンランドのオルキルオト原子力発電所建設で使われている部品の鋼材は日本製です。
フィンランドの原子力発電所運営企業であるTVOのスポークスマンは、この鋼材は必要とされる工業規格をすべてクリアしていると語っています。

EDFはこの記事のための取材を拒否しましたが、4月20日、声明を発表し、フランスの原子力監査機関の決定に対し、争う姿勢を明らかにしました。
「フラマンヴィル原子力発電所の原子炉3号機に使われている鋼材の製造過程は、フランスが定める原子炉製造規格の必要条件に適合しています。」

EDFはフラマンヴィル原子力発電所で使われている各部品が、定められた工業規格に準拠したものであることを証明するため、新たに試験を行う予定であるとの発表を行いました。

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セゴレーヌ・ロワイヤル・エコロジー・持続可能開発・エネルギー大臣は、試験を行うのであれば10月中に完了しなければならないと語りましたが、フランス原子力監査機関の審査がいつ終了するかについては明確にしませんでした。
最悪の場合、フラマンヴィル原子力発電所と泰山原子力発電所の原子炉は、一度分解する必要があると専門家が指摘しました。
その場合、原子力発電所建設は部品を再鋳造するところからやり直すことになり、それぞれ数億ユーロの追加費用、そしてさらなる工事の遅れを発生させることになる可能性があります。

この場合、フラマンヴィル原子力発電所と泰山原子力発電所の建設については、計画を放棄する方が経済的に見て合理的選択である可能性が高い、複数の専門家がこう指摘しました。

原子力産業界において苦境に立たされているのはフランスの会社だけではありません。
長年この世界のリーダーとして君臨し、今やアメリカの老舗ウェスティングハウス社も傘下に収めた日本の巨大企業、東芝もまたその最新世代の原子炉建設に伴う高額な費用と様々な問題に遭遇しています。

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一例としてジョージア州のオーガスタ近くで、ウェスティングハウス製の新型原子炉を建設している発電企業のサウザンカンパニー社は今年始め、施設の完成が18ヵ月遅れる見込みであることを公表し、7億2,000万ドル(約880億円)の追加費用を計上しました。
この事態は他の電力会社に対し、新たな問題の発生を告げることになりました。

中国では22基の原子炉が稼働中ですが、現在国内最大級の原子力発電所の建設を行っています。

しかし中国企業は原子炉の輸出に進出し始めたところで、パキスタンにおいて現在建設を行い、アルゼンチンと建設準備の話し合いを行っている段階です。

そしてロシアも原子力発電設備の長い海外の顧客リストを持っており、そこにはインド、トルコ、フィンランドなどの国名が並んでいます。
しかし現在ロシアに対してはウクライナ問題について経済制裁が加えられており、西側世界からの融資が受けられなければ、これらの国々での原子力発電所建設のための費用負担には耐えられないだろうと、西側の専門家が分析しています。

インディアン・ポイント原子力発電所
しかし独立した立場のエネルギー問題の専門家であり、長年フランスの原子力産業界を監視・批判してきたイーブ・マリニャック氏の見解では、フランスの原子力産業もまた、深刻な信用上の問題を抱えています。

結論は出ていませんが、アレバとEDFはなぜフランス原子力監査機関による検証が終わっていないのに、原子炉の蓋を溶接し、さらには配線まで完了させてしまったのかという問題が残っています。
もし両社がこうした欠陥を見落としていたという事であれば、品質管理についてアレバとEDFにはその能力に重大な欠陥があると言わなければなりません。
あるいは両社は、欠陥を指摘される前に原子炉を組み上げてしまい、既成事実化しようとしていたのかもしれません。」
「そこには安全上の問題があるか…」
マリニャック氏が最後にこう語りました。
「あるいはもっと深刻な、果たしてアレバとEDFを信用してよいのかどうか?という問題が残ります。」

※この記事はパリのデイヴィッド・ジョリィ、ロンドンのスタンレー・リードの取材により、共同編集されたものです。

〈 完 〉

http://www.nytimes.com/2015/05/08/business/energy-environment/france-nuclear-energy-areva.html?ref=topics&_r=0

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