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【 再び日本の国際的評価を低下させた、戦時記録を改変するアベネシア 】《後篇》

読了までの目安時間:約 8分

「誤った国家政策」、「独善的な国家主義」、「植民地支配」と「侵略行為」を明確に批判した村山元首相
予想を超えて後退した、安倍首相の従軍慰安婦問題に対する政治姿勢、人身売買ブローカーへの責任転嫁
安倍政権の歴史の歪曲を問題として取り上げると、日本政府から嫌がらせを受けることを暴露した外国の報道機関

ジェフ・キングストン / アメリカCNNニュース 5月1日

安部米国議会
『自虐史観』

日本国内では安倍首相に対し、1995年の村山声明の中にあったきわめて率直な謝罪と戦争責任のはっきりとした認識という表現を、そのまま用いるようにとの明確な圧力が多方面からかかっていました。
日本政府に近い読売新聞でさえ、安倍首相にそうすることを求めていました。

村山首相は「誤った国家政策」、「独善的な国家主義」、「植民地支配」と「侵略行為」を明確に批判しました。
しかし安倍首相は日本の第二次世界大戦(太平洋戦争)中の日本の行為についてのこうした見方を『自虐史観』だとして攻撃し、日本人にこうした見解を捨てさせるために政治家としての人生を捧げてきました。
次の発言は宿命的なものと言えるかもしれません。
「歴史とは厳しいものです。一度起きてしまったものは、取り返しがつきません。」

さて、自明のことですが、安倍首相は一切謝罪を行うつもりはないという事ではありません。
しかし安倍首相の悔恨と謝罪に対する姿勢、そして歴史とは厳しいものだという発言の向こうに透けて見える打算は、日本をして極東アジア地区における孤立へと追い込んでいます。

DW Finding the right words
中国と韓国が歴史問題というカードを切って、日本を挟み撃ちにしているという安部首相の見解は的を得ています。
しかし中国と韓国に攻撃のための材料を提供したのは、日本自身です。

旧日本軍がアジア諸国の女性たちを性的奴隷として使役した従軍慰安婦問題について、問題の存在自体を否定する安倍首相のこれまでの発言記録を紐(ひも)解けば、自ら進んで率直に謝罪する、あるいは旧大日本帝国が国家ぐるみ関わっていたことを認めることはもとより期待できませんでした。
しかし今回の演説においては、その姿勢は予想よりもさらに後退したものでした。

「武力紛争は、常に女性を最も苦しませてきました。私たちの時代に、女性があらゆる人権侵害から解放される社会を実現させなければなりません。」

従軍慰安婦問題に対する安倍首相のこの誠意の無い馬鹿にしたような態度は、日本と日本人の尊厳を傷つけるとともに、戦争被害に対する日本人の謙虚な反省も失われつつあることを世界に伝えることになりました。

反韓国
最近の会見で安倍首相は1993年の河野声明を支持すると発言しましたが、実際には無視してきました。
安倍首相率いる自民党のメンバーたちは河野談話に対する不満と疑問を表明し、その主張に同調するよう高圧的な議論を繰り広げてきました。

その取り組みが最も効果を発揮したのが教育現場でした。
安倍首相が鼓吹する愛国教育のスローガンの下、教科書出版社へ圧力がかけられ、中学校の教科書からは従軍慰安婦に関する記述が削除されることになりました。
河野談話は実質的に反古になったのです。

従軍慰安婦問題について唯一記述した科書に対して日本政府は、元従軍慰安婦の証言の削除と問題の存在に関する証拠は不十分であるとする断り書きを挿入するよう要求しました。

『従軍慰安婦』

こうした姿勢に対する批判に対し、安倍首相は従軍慰安婦問題を人身売買問題へ転換させようとしています。

従軍慰安婦規定
これは大日本帝国が国家ぐるみで従軍慰安婦システムに関わっていた責任を曖昧にし、この問題は21世紀において世界が共通して懸念している人身売買問題と変わらないのだという視点を与えるための言語的策略です。
従軍慰安婦問題について、朝鮮半島で暗躍した人身売買ブローカーの存在をことさら強調することは、当時の大日本帝国の軍隊と政府組織から責任を転嫁することが目的です。

日本国内において歴史を書き換えようとしている人間たちは、韓国朝鮮のブローカーにすべての責任を追わせようとしていますが、この連中は日本軍の当局の命ずるがまま行動していました。
そして軍当局の官僚たちは、女性たちが虐待を受け、一度従軍慰安婦にされてしまったら二度とその境遇から自力で抜け出すことはできないことを知っていたのです。

安倍首相は演説において、民主主義と自由の価値観をアメリカ議会の議員たちと共有していると語りました。
安倍首相はこれまで、従軍慰安婦問題に関する報道を行った朝日新聞に対する多方面からの組織的攻撃の指揮をとり、さらにはNHKの経営陣に自らの陣営から人間を送り込み、従来の経営陣に対し批判的態度をとればその職を奪うと圧力をかけた事実に鑑み、その考えを改めたとすれば歓迎すべき変化です。

古賀氏 2
事実、ニューヨークタイムズは4月26日付で、チーム安部が安倍政権の批判を繰り返してきたテレビ番組解説者の解雇に関与したとする記事を掲載しました( https://kobajun.chips.jp/?p=23139 )。

外国の報道機関は安倍政権の歴史の歪曲を問題として取り上げると、日本政府から嫌がらせを受けることを暴露しました。
さらには日本政府の行き方に従おうとしないジャーナリストが、その名誉を傷つけられるというやり方で個人攻撃を受けているとも伝えています。
これに加え、ジャーナリストは安倍政権に批判的な特定の個人のインタビューを行なわないよう命令されました。

ジャーナリストはこうしたやり方が日本政府のメディア対策を専門に担当する部門が、これまでもしばしば用いてきた手法だと認めていますが、安倍政権が行なっているものは、手口の陰険さにおいてこれまでで最もひどいと語っています。

安倍首相は日米の同盟関係を強化すべきだという見解を持つ米国議員から、とりわけ大きな拍手を得ました。
しかし実際に自分たちの土地に多くの米軍基地を抱え、分不相応な重い負担を強いられている沖縄県民も、同じ思いでいる訳ではありません。

沖縄基地反対
日本国内の米軍基地の約75%が沖縄に集中しており、沖縄県の土地の約20%が米軍基地で占められています。
これまでの選挙で、そして世論調査において、沖縄県民は現状に反対であることを声に出しました。
2014年11月、沖縄県民は本島の北部の大浦湾に新しい米空軍基地建設に反対する知事を選びました。

かつては人気があった当時の現職の知事は、基地建設にゴーサインを出したため職を追われることになりました。

太平洋をはさむ日米両政府の官僚たちは、同地域の安全保障のためのアメリカの軍事負担を減らす計画の一環として、繰り返し基地建設への支持を表明しています。
しかしこの方針について沖縄県民は、自分たちの民主主義的権利への明らかな侵害ととらえ、断固として反対の立場を鮮明にしています。

〈 完 〉
http://edition.cnn.com/2015/04/30/opinions/japan-abe-united-states-kingston/index.html

【 再び日本の国際的評価を低下させた、戦時記録を改変するアベネシア 】《前篇》

読了までの目安時間:約 7分

第二次世界大戦(太平洋戦争)中に日本が犯した数々の非人道的行為の責任については回避的、かつ曖昧
安倍首相は、日本の国益よりも歴史問題に関する個人的主張を優先している
歴代首相が繰り返した戦争への「反省と後悔」、自分はそこに重点を置くつもりは無いという意思を明確に示した安倍首相

ジェフ・キングストン / アメリカCNNニュース 5月1日

安部米国議会
日本国内はもちろん世界が注目する中、日本の首相として初めて安倍首相が行なった米国上下両院総会における演説は、歴史を書き換えようとする行為により近隣諸国との緊張関係を作りだし、関係各国の懸念を増大させているにも関わらず、予想されていた通りこうした緊張関係や懸念を払しょくする内容のものではありませんでした。

第二次世界大戦(太平洋戦争)が終了して今年で70年を迎えますが、アジア太平洋地区においては未だにその負の遺産の整理はついておらず、日中、日韓関係における火種の一つであり続けています。
安倍首相は戦争中に日本軍が行なった非人道的行為に関する責任を受け入れかどうかという点については問題の存在そのものを否定し、曖昧なままやり過ごそうという対応をとってきましたが、米国議会における演説においてもその姿勢に変化はなく、関係諸国を失望させる結果に終わりました。

この「Abenesia(アベネシア - 安倍首相と健忘症amnesiaをかけた造語)」は日本の国際的なイメージを傷つけるものであり、中・韓両国の一層の怒りを買い、その結果両国との間の安全保障問題に影を投げかけることになります。

防空識別01
オバマ政権は安倍政権に対し、歴史問題に関するハードルを意識的に下げています。
これは台頭を続ける中国に対抗するためには、今やアメリカと日本の国力を併せた対応が必要になっているとの認識を、日米が共有しているからにほかなりません。

軍事能力の増大を目的として日本との同盟関係を強化し、TPP交渉を決着させて調印してしまうことは、日本の過去の悪行をつまびらかにすることに優先します。
40年前サイゴンの陥落によって終わったベトナム戦争、イラク戦争、そしてアフガニスタン戦争を引き起こしたアメリカには、一般市民に戦争の恐怖と犠牲を強い、自国の軍隊が戦争犯罪まで引き起こすという計算外の結果が生じたことについて、他国を責める資格はありません。

前任者の大統領たちが長年にわたりそれぞれに挙げていた安全保障問題の要求項目を網羅した提案に対し、安倍首相は全面的に応える意向をあらかじめ伝えてきていたため、バラク・オバマ大統領は安倍首相に対し最大限の歓迎を行うための努力を惜しみませんでした。

集団的自衛権04
しかし安倍首相が全面的な受け入れを表明した、安全保障上の新たに役割分担は、日本国内ではほとんど支持されてはいません。
PEWリサーチセンターによる最新の世論調査でも、日本が役割分担を大きく増やす集団的自衛権の行使については68%が反対であるのに対し、賛成はわずか23%です。

アメリカ自身、太平洋地区における安全保障体制の整備には、米国、日本、そして韓国の3カ国の緊密な連携が重要だと考えていますが、安倍首相の歴史認識に対する姿勢は協力体制の構築の障害になっており、安全保障上の問題とはむしろ安倍首相自身にあると言う事も出来ます。

『永遠の哀悼の意』

安倍首相は居並ぶ米国議員たちの反応を慎重に確かめながら、演説を進めていきました。
あらゆる側面において米国議員たちの意に添うよう、その表現も考え抜かれたものであり、歴史認識の問題についてすら一定の譲歩を行いました。
「熾烈な戦いをかわした敵同士が、現在は互いに理解し合える友人同士になりました。」

確かにそれは歓迎すべき事実です。
しかし日本は中国や韓国とは過去の事実認識を共有できてはいません。
そのためこれらの国々との関係は「理解し合える友人同士」とはとても言い難いものがあります。

日中紛争01
多くの国が自国の歴史のうち都合の悪い部分については、目をつぶろうとしがちです。
しかし安倍首相はそうした態度すら飛び越え、1990年代半ばから「愛国教育の推進」を旗印に、それまでの日本が第二次世界大戦については反省と後悔をのみ表明していたことを否定し、この時代の日本に誇りを持ち再評価すべきであるとの主張を教育の世界でも定着させようとしています。
安倍首相は個人の主張を日本の国益に優先させており、この点において高邁な理念を持つ政治家のレベルに達していません。

もちろん安倍首相には中国、韓国の主張を受け入れ、両国との根本的和解を成立させるつもりはありません。
この2カ国こそは、19世紀末から日本の侵略的意図に苦しめられ続けてきました。
しかし一方でそれは、安倍首相に中韓両国との関係改善の意志が無いという意味ではありません

安倍首相はこう語りました。
「戦後私たちはすべての戦争に対する深い後悔の念を心に抱きながら、再出発しました。」
「日本の行動は、アジア諸国の人々に苦しみを強いることになりました。我々は、それから目をそむけてはいけません。私はこの点において歴代の前首相たちが明らかにした見解を支持します。」

沖縄戦01
この前任者の見解を『支持する』という言い方に、私たちは留意しなければなりません。
つまりは戦争に対する「反省と後悔」については歴代首相がさんざん繰り返しており、自分としてはその点にことさら重点を置くつもりは無いという意思を明らかにしたものだととれるからです。

そしてもうひとつ問題なのは安倍首相はその政治経歴全体を通じ、第二次世界大戦の戦前戦中の日本の事歴について誤りや罪を認めることを拒否し続けてきた点です。
ただ単に前任者たちの発言を『支持する』と言うよりは、自らはっきりと謝罪を口にすれば、安倍首相に対する批判を多少は和らげることが出来たでしょう。

〈 後篇に続く 〉

http://edition.cnn.com/2015/04/30/opinions/japan-abe-united-states-kingston/index.html

【 日本の報道機関は政府命令に従え!強まり続けている圧力 】《後篇》

読了までの目安時間:約 7分

大手放送局の経営陣の中には、現政権のメンバーとの緊密な関係を持っていることを誇る人間たちすらいる
圧力に屈するだけでなく、むしろ進んで政権の機嫌をとって見返りを得ようとする一部の日本の大手メディア
日本国内の報道機関に対する圧力に手ごたえを感じ、海外のメディアにも圧力をかけ始めた安倍政権

ジュリアン・ライオール / ドイツ国際放送 4月30日

朝日新聞
「ここ数か月私が実際に見てものすごく不安になったことがあります。大手放送会社の最高経営陣が安倍政権のメンバーと、個人的に極めて親しい関係になってきているのです。彼らが政権の座にある人間に懸命に取り入っているように、私の目には映りました。」
古賀茂明氏がこう語りました。

▽ 緊密な政治的結びつき

「これら大手放送局の経営陣の一部には、現在の政権のメンバーとの緊密な関係を持っていることに、むしろ大きな誇りを持っている人間たちがいます。」
そして古賀氏は次のようにつけ加えました。
「自分自身もまた、権力の中枢にいるのだと感じているようです。」

こうした事態は、必然的にその下にいる放送局の報道部門、編集部門が現政権に決定的に不利になる内容の報道を控えさせることにつながり、ひいては重要な問題に関する報道内容に影響せざるを得ないと、古賀氏は語ります。
「残念なから今のところ、メディア側に反撃する様子は見られません。」

SDF03
「それどころか現実になっているのは、メディアが圧力に屈して命じられるがままの対応をとり、むしろ進んで政権の機嫌をとって見返りを得ようとする態度です。」

こうした情報統制により必要な情報を持たない国民は選挙に際し、本来自分たちに必要な決断を下す能力を持つことができない、古賀氏はそう主張します。

「政権が直接国民に圧力をかけるわけにはいきません。そこで使われるのが、情報統制の手段です。メディアが自己検閲を行って一般市民が必要充分な情報を得られないようになれば、結局市民が受け取ることになるのは、政権にとって都合の良い情報ばかりになります。」

「そのことに気づくことが無ければ、日本国民の洗脳作業が進行することになります。」
古賀氏が見解を明らかにしました。
「そしてそれが現実になれば、独裁者という暗い影が再び日本の上を覆うことになるでしょう。」

安倍 3
▽ 海外メディアにも及ぶ圧力

日本国内の報道機関に対する圧力が効果を発揮したことに手ごたえを感じた安倍政権は、海外のメディアにも同様の圧力をかけ始めたようです。

ドイツのフランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング紙の東京在住のカーステン・ゲルミス特派員は、2010年1月に日本に着任しましたが、福島第一原発事故、アベノミクス経済政策のリスク、憲法改定、日本の人口減少などについて遠慮会釈なく質問するため、安倍政権は海外メディアの取材を拒否していると主張しています。

在日外国特派員クラブの会報に掲載されたゲルミス特派員の記事には、同紙の編集責任者がフランクフルトの日本総領事の訪問を受け、同氏が掲載した安倍首相が日本の歴史を歪曲しようとしているという記事に関する『日本政府からの抗議文』を手渡されたことが書かれていました。

英国紙
そして総領事自身も、ゲルミス特派員が中国側から金を受け取り、数回にわたり中国を利する宣伝記事を掲載したと責めたのです。
この発言にはツァイトゥング紙もゲルミス特派員も激怒しました。
さらに両者を激怒させたのは、日本の外務省が、日本総領事とツァイトゥング紙の編集責任者があった事実などは無いと主張していることです。

〈 完 〉
http://www.dw.de/media-in-japan-under-growing-pressure-to-toe-the-line/a-18420514
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【 B.B. キング: 伝説のブルース、そしてスーパー・ギタリスト 】

アメリカNBCニュース 5月15日
(掲載されている写真をクリックして大きな画像をご覧ください)

King 1

B.B. キングが5月14日に亡くなりました。89歳でした。
約70年の全キャリアに渡り、キングは誰もが認めるブルースの帝王でした。
炎が燃えるようなギター・プレイと心に染み渡るようなヴォーカルは、一流のミュージシャン、そして多くの音楽ファンから愛されました。
2013年カリフォルニア州ソラナビーチで(写真上)。

2008年にロサンゼルスで「ブルース&ジャズ・ガラ・コンサート」で、U2のジ・エッジ、ボノと共演するB.B。(写真下・以下同じ)
King 2
1989年パリのコンサートで。
King 3
テレビ番組『チューブ」で演奏する B.B. キング。
King 4
1975年頃、「ルシール」というあだ名をつけられた愛用のギブソンのセミ・アコースティック・エレキギターを演奏する B.B. キング。
King 5
1972年5月15日にカリフォルニア州チーノー州刑務所で演奏する B.B. キング。
King 6
1969年シカゴで開催されたブラック・エキスポで。
King 7
1967年ニューヨーク、エリック・クラプトン、エルビン・ビショップとの共演。
King 8約70年にわたっている彼のキャリアにおいて、キングは誰もが認めるブルースの帝王というだけでなく、多くのギタリストの師でもありました。その中にはエリック・クラプトン、ジミ・ヘンドリックス、ジョン・メイオール、キース・リチャーズなどがいます。
King 91948年にメンフィスで。
1925年9月16日にライリーB.キングとして小作農の子として生まれた彼は、両親の離婚、そして母親の死後、祖母に育てられました。
B.B. ミシシッピ近くで、彼は5年の間小作人として働いていました。

【 日本の報道機関は政府命令に従え!強まり続けている圧力 】《前篇》

読了までの目安時間:約 7分

一般国民が事実のすべてを認識できないように情報統制を謀る安倍政権
この21世紀の日本で現実になる恐れがある!実質的な独裁政権の誕生
日本の大手メディアは安部政権の意に逆らうまいとする態度があからさま

ジュリアン・ライオール / ドイツ国際放送 4月30日

朝日新聞
元政府官僚のテレビ解説者が、安倍政権は日本国民が政治的事件の全容を掴むことができないよう、脅迫と誘導を行っていると批判しました。

古賀茂明氏は元経済産業省の官僚であり、順調にいけばいずれは重要官僚としての地位を手に入れられるはずでしたが、結局自ら進んでその道を踏み外すことになりました。
古賀氏は年来いわゆる公務員制度改革を担当してきましたが、2011年3月に発生した福島第一原発の事故に対応するため、経済産業省の人事政策の急進的な改革を提案しました。
しかし返ってきた答えは、辞表を提出するようにという要求でした。

嫌気がさした古賀氏は官僚を辞任し、ニュース番組の解説者になりました。
しかし安倍政権のやることなすことを見ているうち、古賀氏はこれを見過ごすことができないと考えるようになりました。

古賀氏 2
2月に放送された報道ステーションの番組では、ニュース・アンカーとのやり取りの中で古賀氏は、日本政府の官僚の圧力により彼がニュース解説者としての地位を追われることになったと主張しました。
これに対し党の政府側は古賀氏の主張をはねつけ、日本政府は言論抑圧を目的とした取り組みなどは一切行っていない、そう否定したのです。

しかし古賀氏はもちろん、こうした政府見解を否定する報道関係者は増え続けています。
そしてその証拠は積み上がる一方だと指摘しました。
その点典型的な例として、政権与党の自由民主党内の調査委員会である情報通信戦略調査会がNHKとテレビ朝日の幹部を呼びつけ、報道内容について厳しく叱責した件を挙げました。

「NHKの新しい会長に籾井勝人氏が任命されたことが、多くの人々にとってはこの日本を代表するメディアの大きな転換点になりました。」
リベラル派を代表する朝日新聞の元特派員であり、現在はフリージャーナリストとして活動する松元千枝さんがドイチェ・べレの取材にこう答えました。

籾井
▽ 安倍首相自身が厳選した人事

2014年1月に安倍首相によりNHK、すなわち日本の国営放送局の会長に任命された籾井氏は最初の記者会見で、政治的立場が安倍首相に極めて近いという事を隠そうともしませんでした。
を隠す試みをしませんでした。
「会長として初めての記者会見の席上、籾井氏は今後NHKは、政府の意向や立場に逆らうような報道を行うつもりは無いと発言したのです。」

そのような行為は放送機関を政府の宣伝機関にしてしまうことであり、本来自由で公平な立場に立つべきであるという理念を破壊する行為だという批判が相次ぎました。

古賀氏はこの点に同意した上で、メディアへの圧力が一層あからさまなものになっていると語りました。

秘密保護法05
「表現と出版の自由については、日本はかなり自由度の高い国であると、私は固く信じています。」「だからこそ私は、将来独裁政権、あるいはそれに近い形のものがこの日本で誕生する可能性が出てきた現在の状況に、大きな危惧を抱いているのです。」

政権の独裁化に向かう第一歩として古賀氏が恐れているのが、日本のメディアがいわば政府の宣伝機関と化していく事態です。
2012年12月に安倍氏が政権の座に就いて以降、日本の大手メディアには政権の意に逆らうまいとするひたすらな態度が、はっきりと看て取れるようになってきました。
「政権が放送機関に圧力を加える際に使われるのは、まさに飴と鞭のやり方です。言う事を聞かない相手には「放送許可を取り消すぞ」と脅す一方、協力的な放送局には様々な形で特典を与えるのです。」
古賀氏はこう語り、次のように続けました。
「そして現在、各大手メディアは増々政権の意のままに動くようになってきている…」

〈 後篇に続く 〉

http://www.dw.de/media-in-japan-under-growing-pressure-to-toe-the-line/a-18420514
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【 ガンを引き起こしているかもしれない代表的食品10種 】《6》

ブルーヘア・テイヴ / ブレティン・デイリー・ニュース 3月10日

11. 遺伝子組み換え作物

10foods17
現在アメリカの法廷は遺伝子組み換え作物の是非の議論には加わっていません。
遺伝子組み換え作物が環境に、そして私たちの体にどのような影響を及ぼすのか、全く明らかではない現在において、たった一つだけ明らかなことがあります。
それは現時点で、アメリカには遺伝子組み換え作物の安全性について検証するための仕組みが、全く存在しないという事です。
遺伝子組み換え作物が人体にどのような影響を及ぼすのか、それは私たちの体を実験台にして、これから明らかにされていくのです。

11. 硬化油(水素化油)
10foods18
つまりは植物油として市販されている食用油の事ですが、実は化学的に一部の成分が取り除かれ、さらには消臭加工されたり、色をつけられている場合があります。
また、過度のオメガ-6脂肪酸の取り過ぎは、健康問題を引き起こす可能性があります。

12. 赤身の肉
10foods20
一回の食事に少量の赤身の肉を食べることが健康に良いことは周知の事実です。
リノール酸を含有する草[粗飼料]で育てられた牛の赤身の肉は、各種のガンに対する予防効果があります。
しかし毎日それを摂取し過ぎた場合には、大腸がんのリスクが上昇する場合があります。

※ 以上の見解は下記サイトに掲載されたものを、そのまま翻訳・ご紹介しているものであり、【星の金貨】として独自に見解を示している訳ではありません。
http://bulletindailynews.com/2015/03/10/10-top-foods-that-might-be-causing-cancer/

【 上海に残る大日本帝国軍隊の慰安所跡 】《後篇》

読了までの目安時間:約 8分

中国各地の女性たちが兵士向けの売春婦として強制的に働かされていた事実を証明する、レンガとモルタルで出来た動かぬ証拠
従軍慰安婦として使役された挙句、戦争終了とともに自殺の途を選んだ女性たちがいた

スー・アン・トレイ / ザ・ガーディアン 4月24日

希孟廬01
南京虐殺発生から4年、第二次世界大戦(太平洋戦争)は日本軍の敗北、そして中国共産党軍が勝利者の地位を中国国民党から奪い取る形で終了しました。

そして夢花街にある大邸宅は、公営住宅という形で再び人間が生活を営む場所へと戻りました。
政治的、経済的背景から選ばれた10家族以上がひとつ屋根の下で、すし詰め状態で暮らすことになりました。
労働者、そして共産党員は通りに面したスペースに余裕のある部屋を割り当てられる一方、資本主義者と烙印を押された家族は日の当たらない裏側の狭い部屋で暮らすことになりました。
この建物を最初に建造した資本家の子孫が、未だに最上階の狭い部屋で静かに暮らしていると言われています。

数十年間、増え続ける人口はこのマンションの部屋をさらに細分化させることになり、最終的にこの建物で暮らす家族の数は倍増することになりました。
1979年に始まった改革開放政策により中国経済の自由化が進みましたが、上海の住宅事情にはその後も大きな変化はありませんでした。
豊かになった居住者などがこの建物を出て、市中に次々と建設される新しくて広いマンションなどに移っていきましたが、彼らはこの建物内の部屋を上海への移住者へ賃貸し、ぎゅうぎゅう詰めの状態は変わっていません。

希孟廬03
この建物に住んでいる人々は皆、かつてここがどんな場所だったかを知っています。
いまでも冒涜された女性たちが残した何がしかの痕跡を感じることができますが、あえて触れようとする住民はいません。
従軍慰安婦として使役された後、戦争の終了とともに自殺の途を選んだ女性たちもいました。

忌まわしい施設が一般住宅へと様変わりしてしばらくすると、今度は住民たちが精神的に痛めつけられる時がやってきました。
1960年代から70年代にかけ、毛沢東主席の下で展開された文化大革命です。
住民たちが互いに監視し合い、資本主義的家族あるいは政敵の烙印を押されると、情け容赦なく攻撃され、多くの人々が死にました。
この時の記憶について語ろうとする年配者はほとんどいません。

希孟廬(Ximeng Lue)、上海市内のにぎやかな場所に立つこの建物は、20世紀に日本軍の慰安所が設置されていたところであり、中国各地の女性たちが強制的に兵士向けの売春婦として働かされていた事実を証明する、レンガとモルタルで出来た動かぬ証拠です。

中国に現代の資本主義がなだれ込み、富を象徴する高層建築が次々と現実になっていくのと同時に、上海では近隣の古い建物が次々と壊されて行きました。
しかし希孟廬は未だにその場所にあり、上海市の歴史の暗い側面を代表する場所にあり続けています。

太平洋戦争01
中国政府や地方政府の官僚たちは、上海市内に残る歴史的建造物を保存すべく取り組みを続けていますが、多くは成功していません。
特に不動産価値の高い場所となると、歴字的意義、建造物としての価値などには関係なく取り壊されてしまう場合がほとんどです。

希孟廬(Ximeng Lue)の住人は、この建物も数年の内には同様の運命を辿ることになるだろうと考えています。
中国人従軍慰安婦について、その犠牲になった人々に関する公式の記録を残すべきであるという要請がほとんど無いのと同様、かつての日本軍の慰安所を史跡として残すべきであるという意見もほとんど聞かれません。

上海師範大学に中国慰安婦研究センターを設立し、その所長を務める歴史家の蘇智良(Su Zhiliang)教授は、過去に行われたこの女性にとって極めて残酷な行為について、正式な記録を残し、正しく的を得た処理が行われるよう、証言を集めています。
彼は長い間上海市当局に対し、最初に設けられた慰安所を博物館として残すよう求めてきました。
希孟廬のような建物は傷みが激しい上、はちきれる程の住民がその場所で暮らしており、蘇教授の取り組みが成功するかどうかは解りません。

無錫の日本軍DW
希孟廬は正史には残されていない、別の歴史を語り続けています。
願いがかなうようにと作られた建物は今、そこに連れてこられた女性たちの絶望の思いを後世に伝える遺跡として、その場所にあります。

〈 完 〉

http://www.theguardian.com/cities/2015/apr/24/shanghai-comfort-house-history-cities-buildings
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こうして従軍慰安婦にされた女性たちの思いを突きつけられると、日本人としてはこの問題はスキップしたいと考えたくなる、その気持ちも解ります。
まさにやりきれない思いに駆られますが、だからと言って『いっそ問題の存在そのものを否定してしまおう』、あるいは『売春行為は皆自発的なものだ』などと主張するのは、第三者、実際には英国をはじめとする欧州各国や米国、世界のジャーナリズムからは、戦時中の残虐さをそのまま引き継いでいると見られかねません。
私は強制徴用もあった、中には自発的なものもあった、ただ現時点ではその比率を具体的数字で表すことが出来ないのだと思います。
前回も書きましたが、日中韓の共同調査プロジェクトを立ち上げて、できるだけ事実に近づく努力を重ねていく必要があると思います。
その結果を受けて、謝罪が必要なら国家として謝罪すべきか、日本人として謝罪すべきかという議論も行うべきだと思います。

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【 ガンを引き起こしているかもしれない代表的食品10種 】《5》

ブルーヘア・テイヴ / ブレティン・デイリー・ニュース 3月10日

  9.養殖のサケ
10food15
アメリカ合衆国で流通しているサーモンの60%以上は養殖魚です。
その餌は自然界のものではない化学物質、抗生物質、殺虫剤その他、発がん性物質として知られる成分が含まれ、それが健康であるとないとに関わらず、すべてのサケに与えられています。
調査研究の結果、養殖サケからはPCBと水銀も検出されました。

  10. ダイエット食品
10foods16
ダイエット食品に使われている人工甘味料の中にはアスパルテームを含むものがあり、あまり健康に良いとは言えません。
さらに味を調えるために過度のナトリウム、着色料や香料などが加えられる場合もあります。
総体的に『低脂肪』『低カロリー』食品には、実際には表示されている以上のカロリーを含んでいる場合もあります。

※ 以上の見解は下記サイトに掲載されたものを、そのまま翻訳・ご紹介しているものであり、【星の金貨】として独自に見解を示している訳ではありません。
http://bulletindailynews.com/2015/03/10/10-top-foods-that-might-be-causing-cancer/

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星の金貨プロジェクトのサイトとしてスタート、2024年6月よりあおい薬品の薬剤師・小林裕見子の発信ページに変身しました。
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