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【 隠され続けるフクシマの現実、歪められる真実 】《8》

読了までの目安時間:約 9分

多発する地震と津波の国の原発事故は、専門家が予測した最悪の事態の100倍の規模に達することになった
ガンダーセン氏への2時間のインタビューを一切公表しなかったウォール・ストリート・ジャーナル
これから5年間、世界は甲状腺ガン、難治の各種内蔵ガン、そして白血病の急増を経験させられることになる

フェアウィンズ 4月5日



アーニー・ガンダーセン
私には原子力工学の学士号と修士号がありますが、言実際に原子力産業界でほぼ45年を過ごしてきました。
私は、公認の原子炉オペレーターの資格も持ち、現場での経験もあります。
また私は原子力発電所の安全装置に関する特許を持っています。

2011年3月18日、福島第一原発の事故が発生してちょうど1週間後、アメリカCNNテレビに出演してジョン・キングのインタビューを受けた私は、世界中の原子力科学者、原子力技術者、原子力行政職員がすでに認識していた事実を、公の場で話をした最初の人間になりました。

CNNニュースアンカー
「福島第一原発の事故についてアメリカ政府当局は今日、スリーマイル島事故を上回る規模ものであるとの見解を明らかにしました。フクシマはチェルノブイリ級の事故になる可能性はありますか?」

第一大破壊
アーニー・ガンダーセン
「私の考えではすでに間違いなくチェルノブイリ級の事故になっています。福島第一原子力発電所では4基の原子炉が事故を起こしています。
この事故が発生する1年前までは『最悪の事態』とは原子炉内の核燃料の1パーセントが格納容器の外側に漏れ出すことでした。一日あたり0.1%ずつ10日程でその量に達するケースです。
これが『起こり得る最悪の事態』だと考えられていました。
しかし福島第一原発では格納容器の脇に開いた穴から、おそらく70%の核燃料が外部に溶け落ちていることが解りました。これは予想されたケースの100倍悪い状態です。」
CNNニュースアンカー
「非常に考えさせられる、真剣に考え込まざるを得ない見解ですね。貴重なご意見をありがとうございました。」

アーニー・ガンダーセン
私がジョン・キング・ショーでこの発言を行った2か月後、原子力産業界は私をうそつき呼ばわりしました。
一方原子力事業に関わる技術者や原子力の監視管理機関は沈黙を守り続けました。
そして事故発生から相当の時間が経ってから世界に対し、福島第一原発の経営者である東京電力は本当に起きていた事実を認めたのです。

FOX News
フクシマで起きたのは複数の原子炉のメルトダウンであり、システムの崩壊であり、そのレベルはェルノブイリ級のものであることを、世界はこの時点でやっと伝えられたのです。

なぜ彼らは事実を認めるまでにこれ程時間をかけたのでしょうか?
私は再びこの言葉を言わなければなりません。
『カネの流れを追いかけてください。』

原子力発電所の事故が引き起こす大惨事について、チェルノブイリについてもフクシマについても、私たちはそれが始まったタイミングを特定することは簡単です。
しかし福島第一原発の事故発生から5年、予想もしなかった規模で続いている放射能汚染がいったいいつ終わるかについては、誰確実なことが解っている人はひとりもいません。

有名なアメリカの野球選手でありコーチでもあったヨギ・ベラがこう発言したことがあります。
『終わったことを確認できるまでは、何も終わっていない。』
残念ですが、フクシマの事故は解決からは遥かに程遠いと言わなければなりません。

私にとっても、そして私同様の知識や経験がある原子力関連の技術者たちにとって、福島第一原発の事故が始まった時、そのことが意味するところははっきりしていました。
人類史上最悪の産業事故を終息させるまでには、信じられない程長い時間、そして考えられない程莫大な費用がかかるということです。

アーニー・ガンダーセン
2012年2月、私は東京の外国人記者クラブへ招待され、世界中のメディアに向けて発言する機会を与えられました。
その場で私は次のように語りました。
「私は福島県内を中心に汚染された地域全域の除染完了までは25年間、そして1,900億ドル(約20兆2,000億円)の費用が必要だと考えています。ですから気福島第一原子力発電所内での事故収束・廃炉作業の600億ドル(約6兆4,000億円)に加え、事故で汚染された地域の完全な除染を行うには今後20年から30年に渡り総額で2,500億ドル(約26兆6,000億円)の費用が必要になると試算しています。」

経験を積んだ原子力エンジニアとして、さらには原子力関連企業のもと役員として、私はチェルノブイリとスリヘマイルスリーマイルの事故でさんざん経験させられた事実の隠ぺい、そして世界中の人びとやその家族が直面させられた恐ろしい危険については、もう二度と見たくないという思いを抱き続けてきました。

だからこそフェアウィンズは起きたことについて、ワシントン・ポスト、ニューヨークタイムズを始めとする世界の報道機関に対しいち早く真実を伝えてきたのです。
私はウォールストリート・ジャーナルから2時間にわたるインタビューを受けましたが、それは一切公表されませんでした。
私たちは調査・検証したことが誤りなく世界中のメディアに伝わり、正確に人々の下に届いているかどうかの確認を続けています。

しかしこの5年間で最も悲しむべきことは、日本政府、アメリカ政府、そして世界の原子力産業界がこぞって、福島第一原発の事故を原因とする日本で暮らしている人々に対する健康被害はほとんど、あるいはまったくないと主張し続けている、その事実を目撃させられていることです。

120915
しかし真実はおのずと明らかになりつつあります。

これからの5年間、世界は甲状腺ガン、難治の各種臓器のガン、そして白血病の急速な増加を経験させられることになると思います。
その原因は日本において福島第一原発から大量に放出された放射性物質に他ならないのです。

《9》へ続く -
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//arnie-gundersen-on-cctv-nuclear-free-future-fukushima-at-5-and-the-vermont-yankee-shutdown-what-do-they-mean
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【 この数十年で最悪の干ばつに見舞われたメコンデルタ 】《2》

アメリカNBCニュース 4月28日

メコン川06
この数十年間で最悪のかんばつが、東南アジアのメコン川流域の住民の生活を脅かしています。
エルニーニョ気象現象と水力発電ダムの建設が壊滅的なかんばつの原因となっています。
2016年2月23日ミャンマーのマンダレーで水を運ぶ少年。(写真上)

2016年3月31日ベトナムのソクチャンで、干ばつのため枯れてしまったサトウキビの片づけをする農民。
メコン川07
2016年3月24日カンボジア、プノンペン郊外のチュレー村で、民間薬の原料にするため干上がった沼でハスの葉を集める女性。
4月26日カンボジアの首相は、この40年間で最悪の干ばつにより国土の3分の2にあたる25の行政区で飲料水や生活のために必要な水が決定的に不足しており、国を挙げてこの問題の解決にあたるよう国民に呼びかけました。
メコンデルタ01
4月5日にタイの塩田から集めた塩をトラックに積み込むミャンマーからの移民労働者。タイは毎年100万トン以上の塩を生産しますが、現在のかんばつにより生産量が増えることになるとみられています。
メコンデルタ02
5月1日かつて飲料水として使っていた小さい池に水を汲みに行く男性。
メコンデルタ03
5月1日ミャンマー、ヤンゴン南郊で、仏僧達が組織した給水場で水を受け取るため並ぶ人々。
メコンデルタ04
http://www.nbcnews.com/slideshow/worst-drought-decades-disrupts-life-southeast-asia-s-mekong-region-n562166

【 隠され続けるフクシマの現実、歪められる真実 】《7》

読了までの目安時間:約 10分

原子炉のメルトダウン、爆発、高濃度汚染水の大量発生、すべて1980年代に危険性が確認されていた
放射能の漏出という問題は、少なくとも数十年という単位でしか解決されない
福島第一原発事故の深刻さについて、決して真実を伝えようとはしなかった各国の原子力行政官僚たち

フェアウィンズ 4月5日



アーニー・ガンダーセン
福島第一原発で現在進行している危機は、1970年代、1980年代という早い時期に技術者たちが指摘した危険性がそのまま現実になったものです。
その意味で彼らは全く正しかったということになります。

しかも安全装置のひとつが設計された通りには動作せず、このため大量の放射性物質が地下水系、大気中に放出され、毎日汚染された水が太平洋中に流れ出す結果となりました。

時限爆弾にも等しいこの原子炉の欠陥について、40年もの間原子力産業界の誰一人として議論をしようとしなかったのはなぜなのでしょうか?
そして欠陥が指摘され、それが福島第一原発の事故で実証されたにも関わらず、なぜ欠陥のある原子炉が稼働を続けているのでしょうか?

フェアウィンズはこの点について、繰り返しこう述べてきました。
『カネの流れを追いかけてください!』

EDF
ことはまったく単純明快です。
原子力産業も電力会社もそして監視機関までもが投資銀行の利害を最優先にし、さらには原子力兵器の開発や売買に関わる企業と政府が、原子力分野の開発能力の拡大を切望しているのです。
その結果、市民の安全な暮らしや健康問題などはすべて後回しにされているのです。
2011年の出来事を振り返ってみれば、地震多発帯の上で稼働を続けていた老朽化した原子炉が太平洋に放射性物質を流し込みづける結果を招いたものは、まさにこうした体制だったのです。
放射能の漏出という問題は、少なくとも数十年という単位でしか解決されないことは明らかです。

2011年当時、放射性物質の漏出問題を最初に認識した人間の1人が私でした。
当時私はこう発言しました。
「原子炉の一番外側を覆っているのが原子炉建屋、箱状の建築物です。次が格納容器。事故当時、原子炉1号機と3号機の格納容器内の圧力が上昇したため、内部から水素ガスを放出する処置が採られました。このガスが原子炉建屋内に充満し、爆発につながったのです。
私たちが目撃した劇的なシーン、それがこの原子炉建屋の爆発でした。

CNN05
そしてそのがれきに埋もれたのが原子炉格納容器です。
原子炉建屋自体は頑丈な作りなのですが、事故当時原子炉建屋も格納容器も必要なタイミングでこの水素ガスの放出をすることが出来ませんでした。
その結果今度は原子炉格納容器内で爆轟が発生したのです。
これは人間に例えると、口と鼻を完全にふさいだままくしゃみをするようなものです。
衝撃は鼓膜に集中することになるでしょう。

そして原子炉2号機では何が起きたのか?それは爆発による格納容器そのものの破壊でした。
このため2号機では溶け落ちた核燃料が格納容器の外にまで漏れ出し、トレンチ内に流れ込んだのです。」

これに対し番組司会者が私にこう尋ねました。
「話を先に進めましょう。
今度は太平洋に流れ込んでいる放射能汚染水の問題についてお伺いしたいと思います。
東京電力は11,500トンの放射能汚染水が太平洋に流れ込んだと報告しており、我々はこの数字を基準に話を進めたいと思います。
この量は大きなプール5杯分ほどの量になりますが、太平洋の規模を考えると文字通りスズメの涙ほどの量と考えてよいのでしょうか?
ガンダーセンさん、あなたはこの点について東京電力が放射能の脅威を過少にとらえているとお考えですか?」

CB02
「福島第一原発では汚染水を地下から汲み上げましたが、問題はその保管方法です。現在敷地内には通常時の許容値の500倍もの放射線量に汚染された水が貯められていますが、毎日増え続ける以上さらなる容量の確保が必要です。
しかも後から発生した汚染水の方が一層高い放射線量を持っています。このため福島第一原発ではこれから発生するより汚染のひどい水を備蓄するため、11,000トンの放射線量の低い方の汚染水の海洋投棄を行ったのです。

計画外の漏出についてはその手当が終わりましたが、それまでの2週間一日あたり約7トンの汚染水が太平洋中に漏れ出したと見られています。これは安全基準の500倍までは汚染されていませんが、それでもやはり相当汚染されており、その分海洋も汚染されています。」

ところでフェアウィンズには世界中の方々から、福島第一原発の事故収束・廃炉作業がなぜそんなに長引くのか、いったいいつになったら完全に収束するのか、問い合わせが相次いでいます。
そこで私が事故発生から1週間たたないうちにCNNニュースの番組に出演した際お話したことを、ここで繰り返させていただきます。
『福島第一原発の事故収束作業はきわめて長い時間を必要とする困難な作業です。』

CB06
福島第一原発の事故が発生してから一週間、フェアウィンズのスタッフは要路にある人々に真実の危険性について伝えようとしていましたが、ここアメリカ、ヨーロッパ、そして日本の政府関係者は東京電力の原子力発電所で起きたことについて、世界中の人々にさほどのことが起きたわけではないと信じ込ませようとしていました。

「心配する必要はありません、大丈夫なのです。」
まるで世界中で同じテーマソングを歌っているようでした。
歌っていたのは国内に原子力発電所がある国々であり、市民たちに健康や生命に関する懸念を抱かせることなくこれらの原子力発電所は事故以前と変わりなく稼働を続けることができたのです。

情報公開法(1966年ジョンソン大統領の下で制定され翌年発効したアメリカの連邦政府の情報公開を定めた法律)に基づき公開されたアメリカ原子力規制委員会の文書や電子メールは、事故発生当時、アメリカの原子力発電関係の技術者がインターネットを通し、世界の人々が目の当たりにしているものが、最大規模の原子力発電所事故であり、かつてない程大きな悲劇の到来であることを認識していたことを明らかにしました。

FR24 破壊された福島第一原発
こうした認識があったにもかかわらず、世界各国の原子力行政に携わる官僚たちは、福島第一原発の事故がどれ程深刻なものであるか、決して真実を伝えようとはしなかったのです。

《8》へ続く -
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//arnie-gundersen-on-cctv-nuclear-free-future-fukushima-at-5-and-the-vermont-yankee-shutdown-what-do-they-mean
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【 この数十年で最悪の干ばつに見舞われたメコンデルタ 】《1》

アメリカNBCニュース 4月28日

メコン川01
この数十年間で最悪のかんばつが、東南アジアのメコン川流域の住民の生活を脅かしています。
エルニーニョ気象現象と水力発電ダムの建設が壊滅的なかんばつの原因となっています。

2016年3月12日タイ北部のランパン行政区、干上がったメイ・チャン貯水池の底で記念写真を撮る村人。
1982年にメイ・チャン貯水池が造られた時以降湖底に沈んでいたかつての村が再び地上に姿を現しました。(写真上)

3月12日、干上がったメイ・チャン貯水池のほとりに立つタイ人の僧侶。(写真下・以下同じ)
タイは打ち続く乾季の炎天にエルニーニョ気象現象が加わり、この数十年で最悪の干ばつに見舞われました。
国内最大のダムの水位が10パーセント未満にまで低下し、深刻な水不足に悩まされています。
メコン川02
3月8日ベトナム、ソクチャンの運河で魚を探す男の子。
ベトナムの輸出産業であるコーヒーと米の栽培はこの干ばつによって大打撃を受けました。
南部メコンデルタでは干ばつに伴う塩害も拡大しています。
メコン川03
4月25日ミャンマーのネーピードー、頭にバケツを載せて飲料水を運ぶ女性たち。
メコン川04
3月28日タイ、チャイ・ナット行政区、干ばつでひび割れた水田。
メコン川05
http://www.nbcnews.com/slideshow/worst-drought-decades-disrupts-life-southeast-asia-s-mekong-region-n562166

【 隠され続けるフクシマの現実、歪められる真実 】《6》

読了までの目安時間:約 10分

原子炉のメルトダウンと爆発、高濃度汚染水の大量発生、すべては1980年代に危険性が確認されていた
「事故を起こすとしたらそれは必ずGE社製のマーク1型原子炉になる…」不幸にも的中した懸念
メルトダウンを起こせば、GE製マーク1型原子炉の密閉容器は90%の確率で爆発する(1985年)

フェアウィンズ 4月5日



こんにちは、フェアウィンズ・エナジーエデュケイションのチーフ・エンジニア、アーニー・ガンダーセンです。
今は2016年3月ですがちょうど5年前の今月、福島第一原子力発電所の3基の原子炉のメルトダウンが始まりました。
これまでチェアマンを勤めるマギー・アンダーセンやフェアウィンズのスタッフ、そして私は繰り返し次のような質問を受けてきました。

福島第一原発の事故はどのように始まったのか?
福島第一原発の事故現場と周辺地域は現在どうなっているのか?
これほどの大災害が今後どのような軌跡をたどり、福島県や日本全体の人々にどのような影響を与えることになるのか?

放射線量を測定する長谷川さん。現状での住民の帰還に反対している。

放射線量を測定する長谷川さん。現状での住民の帰還に反対している。


こうして質問にお答えするため、フェアウィンズの総力を挙げてこのビデオを制作しました。
目的はただ一つ、福島第一原発で進行している悲劇について、真実を皆さんにお伝えするためです。

それでは最初に事故の発生原因についてみてみましょう。
フェアウィンズ・エナジーエデュケイションは皆さんもご存じの通り、マギーが専門家と協力しながらその正確な見解を一般向けに情報発信するために2003年に設立されたフェアウィンズ・アソシエイツが発展したものであり、非営利組織として一般市民の皆さんに真実を伝える活動を行ってきました。
2011年の第1四半期、私たちはアメリカ各地にあるいくつもの経年劣化の進んだ原子力発電所を検証し、安全を確保する上で数多くの深刻な問題があることを見つけ出していました。

白煙を上げる現場
そして福島第一原発の事故が発生する三週間前のある夜マギーが夕食後の散歩をしながら、私に次のように尋ねました。
これ程多くの老朽原発があり安全上の問題も存在することが確認されたが、(スリーマイルの)次に放射能漏れの事故が発生するとしたら、それはいったいどこになるのだろうと。
私は次に事故が起きる原子力発電所については、はっきりしたことは解らない。しかし事故を起こすとしたら、それは必ずゼネラル・エレクトリック社製のマーク1型原子炉になるだろうと答えました。

残念なことにその予想は当たりました。
福島第一で事故を起こした沸騰水型原子炉は、GEマーク1です。

もしあなたが大手メディアが伝えたことをそのまま信じていれば、福島第一原発の3基の原子炉のメルトダウン事故は、すべて日本固有の問題に起因すると考えているでしょう。
それは、全くの間違いです。

GE Mark 1
福島第一原子力発電所は、地階部分にディーゼル発電機を設置したことも含めほとんどアメリカ国内で設計されました。
そして日本で2,000年の間繰り返された津波の災害記録を無視したのもアメリカなのです。
原子炉自体はカリフォルニア州サンノゼにあるゼネラル・エレクトリックが製作したものですが、福島第一原子力発電所全体はニューヨーク、マンハッタンの中心にあるEvasco社が設計しました。

現在アメリカ合衆国内では福島第一原発でメルトダウンしたのと同じ型の原子炉が稼働を続けています。

米国の原子力産業界は、日本の原子力開発計画の体制なり体質がアメリカのそれと比較して、いくらか劣っていると一般の人々に信じさせたいのです。
従ってアメリカでは福島第一原発のような事故は発生しないのだと思わせたいのです。

改めて言いましょう、米国原子力産業界の行っていることは全くのデタラメです。
福島第一原発で機械上操作上の問題を引き起こしたすべての部品が、アメリカ国内にある23基のマーク1沸騰水型原子炉でも使われています。

第一原発大規模工事
そしてもっと重要な事があります。
アメリカ国内にある100基の原子炉を設計したエンジニアたちは、福島第一原子力発電所内にある6基の原子炉の設計コンセプトをそのまま使っているのです。

フクシマを始めとする日本国内の原子力発電所の安全性は原子力行政、電力会社や原子力産業によって危ういものにされました。
アメリカでは国民が安心して原子力発電所の管理を任せている原子力規制委員会、それこそが国内の原子炉の安全を脅かす存在になっているのです。

日本の原子力産業の質がアメリカと比較して劣っているという事実はありません。
むしろ材料として使われる素材の品質は日本の方が優れています。
加えてアメリカ国内の原子力発電所は総体的に経年劣化が進んでおり、一部は地震を引き起こす活断層の上にあったり、あるいは老朽化したダムの下流にあるなどしており、1979年にペンシルバニア州のスリーマイル島以降アメリカ国内でメルトダウン事故が発生していないのは単にツイていただけなのだと言わざるを得ません。

福島第一原発でメルトダウンと原子炉建屋を吹き飛ばすほどの爆発を起こした原子炉に設計上及び構造上多くの欠陥があることに、アメリカのエンジニアも日本の技術者も40年間完全に把握していました。

4号機キャップ
アメリカ原子力委員会(原子力規制委員会の前身)の上級幹部は1972年という早い時期に、GE製マーク1型原子炉の密閉容器に設計上明らかな欠陥があるとして重大な懸念を表明しました。
続く1985年に原子力規制委員会が公開した報告書には、もしメルトダウンが発生した場合、GE製マーク1型原子炉の密閉容器は90%の確率で爆発する可能性があると記されていたのです。

同じく1980年代に原子力規制委員会が公表した別の調査報告書には、ゼネラル・エレクトリック製の沸騰水型原子炉すべてが、他社製と比べメルトダウン事故を引き起こしやすい傾向があると指摘されていました。
GE製の原子炉は設計上底の部分に多くの穴が開けられているため、核分裂反応を減速・停止させるための制御棒の固定性が弱くなってしまうのです。

100310
そしてやはり80年代に重要な指摘がなされていました。
ゼネラル・エレクトリック製の沸騰水型原子炉はメルトダウン後の高圧力、高温、そして高い放射線量という条件下では複雑な配管と電気配線が格納容器に接続されているため、溶けた核燃料が外部に漏れ出しやすく、結果的に地下水系を高濃度に汚染することになるのです。

ゼネラル・エレクトリックも原子力規制委員会も、これらすべての欠陥を充分認識済みだったのです。

《7》へ続く -
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//arnie-gundersen-on-cctv-nuclear-free-future-fukushima-at-5-and-the-vermont-yankee-shutdown-what-do-they-mean
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【 3本の手足を切断したカメラマンがとらえた難民問題 】《4》

アメリカNBCニュース 4月24日

難民
3本の手足を失ったカメラマン、ジャイルズ・デュレイ氏は、中東を始めとする難民たちの実情を撮影、公開しました。
深刻な障害を負っても尚、彼は難民たちの実情を世界に向け発信するという情熱を失いませんでした。
ロンドン出身の彼は、アフガニスタンで取材中に地雷を踏み、その後5年間で30回の外科手術を受けなければなりませんでした。
彼は今、戦争によって生活を破壊され、そして傷つけられた人々の窮状を世界に向け発信することに九死に一生を得た命を捧げています。

2015年11月30日マケドニア国境近くギリシャ、イドメニ村の夜。線路わきの難民たちのキャンプ。(写真上)

12月27日ドイツのシェーネフェルトの難民宿泊施設の外で遊ぶイラク、シリア、クルド族の子供たち。(写真下・以下同じ)
難民41
12月29日フィンランドのナグ、脱出以前に難民たちが故国で見聞きし体験したことを忘れることも記憶に残すことも、どちらも実は容易なことではありません。
フィンランドの赤十字、そしてボランティアの人々は難民の子どもたちに、彼らを受け入れる場所があることを確信させるために様々な取り組みを行っています。
難民42
12月29日フィンランドのナグ、灯ろうを空中に飛ばす地元の住民と『ゲスト(難民)』の人々。
難民43
http://www.nbcnews.com/slideshow/triple-amputee-photographer-giles-duley-shows-captivating-images-migrant-life-n560561

【 隠され続けるフクシマの現実、歪められる真実 】《5》

読了までの目安時間:約 10分

今やウォール街は、新しい原子力発電所建設に資金提供を行うつもりは全く無い
原子力発電所を可能な限り長く稼働させ、可能な限り稼がせるというビジネスモデルにしがみつく電力各社
安倍政権が5年に渡り続けてきた福島第一に関する虚偽の報告、いかに事実と異るかを明らかにしていく必要がある

フェアウィンズ 4月5日



ハリントン:原子力産業に大きな利害関係を持っている人間たちにとっての利益とは何なのか、教えていただけますか?

ガンダーセン:ウォール街は新しく原子力発電所を建設することに資金提供を行うつもりは、もはや全くありません。
原子力産業は斜陽産業であり、追い詰められつつあります。
しかし国内にはまだ100基以上の原子炉があり、そのほとんどが60年間の操業許可を持っています。
そして現在、その全部の原子力発電所が稼働80年間の許可の延長を申請しています。
もともとこれらの原子力発電所は40年間の操業を念頭に設計されたはずなのですが、20年間の稼働延長が認められた結果、100基もの原子炉がアメリカ国内で稼働することになりました。
そして現在さらに20年間の稼働延長を求めているのです。

その中で最大の企業がエンタジー社ですが、アメリカ南部に拠点を置く同社は今、ヒラリー・クリントンの大統領キャンペーンに積極的に資金を献金しています。
言うまでも無くクリントン候補は南部の出身です。
次に大きいのがエクセロン社で、同社はバラク・オバマの大統領選キャンペーンに積極的に献金を行いました。

フランス・アレバ
そしてこの2社に加え、もっと小規模な電力企業が各地で原子力発電所を経営していますが、100基中35基がエンタジー、エクセロンの所有になり、この2社は突出して大きな企業なのです。
2社とも原子炉の稼働が可能な限り、電気を大量生産し続けたいと考えています。
エンタジーもエクセロンも、何ほどの費用も支払ってはいません。
ヴァーモント・ヤンキー原発の建設費用は2億ドル(約220億円)未満でした。
もし今新たに原発建設を行なえば、その費用は200億ドル(2兆2,000億円)を下らないでしょう。
60年稼働させた原子炉の20年延長が認められれば、経営する側にとっては格安のバーゲン品を手に入れたも同然です。このため、アメリカ中の原子炉が我も我もと延長を申請しているのです。

電力各社は原子力発電所を可能な限り長く稼働させ、可能な限り稼がせるというビジネスモデルの継続を望んでいます。
そしてウォール街も圧力をかけています。

新しい原発を建設しようなどとは思うな。

もしどうしても新しい原子力発電所を建設したかったらどうすればいいでしょうか。
これからも原子力発電を続けたいと思っていれば、彼らは何らかの突破口を見つけ出すかもしれません。
しかし作られてから80年が過ぎた自動車を想像してみてください。

102415
きちんとメンテナンスされていると解っていたとしても、あなたはこの車を高速道路で全速力で走らせる勇気がありますか?
多分誰もイエスとは言わないでしょう。
しかしアメリカの原子力規制委員会はそれでも大丈夫だと言って、許可しているのです。

ハリントン:ガンダーセンさん、これまであなたはたびたび原子力産業には国民が納めた税金の中から多額の補助金が交付されていると指摘して来られましたね。

ガンダーセン:米国会計検査院が調査を行った結果、これまでの70年間に米国エネルギー省が支出した補助金の総額のうち、実に半分が原子力産業の手に渡っていたことが明らかになりました。
そして石油産業とガス業界、そして送電網整備や太陽光発電などの再生可能エネルギーその他すべてを含めた事業がそれぞれ4分の1ずつ受け取っています。
70年間支給し続けた助成金の半分が直接原子力産業の手に渡っていた訳です。

anti04
そして今度は米国原子力規制委員会は原子力規制委員会の稼働延長を認めようとしています。
これは「89号線(ワイオミング州~ユタ州の丘陵地帯を走る国道)を時速100マイル(約161km/h)で突っ走っても大丈夫か?」
という質問に対し、原子力規制委員会が「どうぞどうぞ」と答えているようなものです。
「時速160キロ?大丈夫、かまいませんよ!」
そんなことは原則ルール違反であり、危険な行為です。
つまり安全基準を無視して、原子力産業が何でも望む通りを認めようとしているのです。
原発の安全性がどれ程損なわれるかの影響を真摯に検証する事無く、とにかく安上がりで構わないという態度です。
安全性を確保するため必要なだけの投資を改めて行うとすれば、いずれの原子力発電所も閉鎖せざるを得なくなります。
そうしなくても良いように、アメリカ原子力規制委員会は本来クリアすべき安全基準を骨抜きにすることによって、原子力産業界を陰で支えているのです。

都路町帰還05
ハリントン:アーニー、それでは番組をここで終了し、あなたが福島で制作した番組の放映に移ることにしましょう。
これからもあなたの素晴らしい調査研究成果の発表をお続けください。そしてこの番組にもまたお出でください。
視聴者の皆さんも引き続き、ガンダーセン氏が制作した番組をご覧ください。
大いに学び、大いに啓発されることと思います。

ガンダーセン:安倍首相は4~5年前、フクシマはもう問題ではないと発言しました。
そしてオリンピックを東京に招致しました。
こうして日本政府は人々の視界からフクシマの問題を消してしまったのです。
しかしフクシマの問題は終わりませんでした。
私たちは福島第一原発について伝えるここ2週間の新聞報道を詳細に確認しました。
その結果わかったことは、福島第一原発からの各種の放射性物質の漏出は続いていることは明白であるという事実でした。

安倍首相02
日本にオリンピックを招致するため安倍政権が5年に渡り続けてきた福島第一原発に関する虚偽の報告について、私たちは協力しながら検証し、いかに事実と異なっていたかを明らかにしていく必要があります。
フクシマの現実と正しく向かい合うためには、日本はオリンピックの開催地に選ばれるべきではありませんでした。
日本の国土、特に福島第一原発の北側の汚染は未だに続いているのです。

ハリントン:ガンダーセンさん、ありがとうございました。あなたが今回お話になったことは、大手マスコミが決して取り上げない問題です。その意味でも大変貴重なお話でした。改めてお礼申し上げます。

- 《6・ガンダーセン氏のフクシマ・レポート》へ続く -
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//arnie-gundersen-on-cctv-nuclear-free-future-fukushima-at-5-and-the-vermont-yankee-shutdown-what-do-they-mean
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【 3本の手足を切断したカメラマンがとらえた難民問題 】《3》

アメリカNBCニュース 4月24日

難民30
3本の手足を失ったカメラマン、ジャイルズ・デュレイ氏は、中東を始めとする難民たちの実情を撮影、公開しました。
深刻な障害を負っても尚、彼は難民たちの実情を世界に向け発信するという情熱を失いませんでした。
ロンドン出身の彼は、アフガニスタンで取材中に地雷を踏み、その後5年間で30回の外科手術を受けなければなりませんでした。
彼は今、戦争によって生活を破壊され、そして傷つけられた人々の窮状を世界に向け発信することに九死に一生を得た命を捧げています。
この12カ月間でドイツには100万人を超える難民が流入し、ドイツ政府は彼らの収容先の確保に難渋しています。写真は使われていない建物内に大量のテントを並べたドイツ国内の仮収容施設。(写真上)

12月29日フィンランドのナグ、難民たちに伝統的なフィンランドのバーベキュー料理を仕方を教える地元の人々。
(写真下・以下同じ)
難民31
12月30日フィンランドのナグ、一緒に昼食をとるアフガニスタンから来た兄弟とイラク難民の少年。
難民32
11月28日に旧ユーゴスラビアのマケドニア共和国で、電車の車窓から外を見つめる難民。
デュレイ氏はシリアから逃れて来た難民の青年に、ヨーロッパに逃れて来た理由を尋ねました。
「簡単な事です。私は早くからシリアの将来に見切りをつけました。そしてシリアにはもうどんな未来も無いと悟った最初の人間のひとりなのです。」
難民33
http://www.nbcnews.com/slideshow/triple-amputee-photographer-giles-duley-shows-captivating-images-migrant-life-n560561

【 隠され続けるフクシマの現実、歪められる真実 】《4》

読了までの目安時間:約 9分

一般市民の人権や安全を軽視し、企業の利益や経済的利益を優先させる日米両政府
必要なのは山脈まるまるひとつから表土をすべて削り取るような除染、総費用は55兆5,000億円
福島県内5~10%の除染で、30,000,000個の放射性廃棄物のゴミ袋

フェアウィンズ 4月5日



ハリントン:ガンダーセンさん、あなたは3基の原子炉が同時にメルトダウンした福島第一原発の事故を、史上最大の産業事故と表現されていますね?
ヴァーモント・ヤンキーと比較するとどういうことが言えますか?
またヴァーモント・ヤンキーや他の原発など、アメリカ国内で行われている廃炉作業と比較すると、どういう事が言えるのでしょうか?

ガンダーセン:そうですね、ヴァーモント・ヤンキー原発の敷地を更地に戻し、そこを緑の草原、農地、ガス火力発電所用地、あるいは川沿いの住宅地などとして再開発できる土地にすることを考えてみましょう
そのためには約10億ドル(約1兆1,000億円)の費用がかかります。
そしてフクシマの場合はその50倍はかかります。5000億ドル(約55兆5,000億円)です。
原子力災害とはそういう見ものです。
ここヴァーモント州にあるグリーン山脈が放射能で汚染されてしまった状態を想像してみてください。
次にその汚染を取り除くため、シャベルを使って大量の人間が表面の土を削り取る様子を想像してみてください。
それが今、フクシマで行われている作業なのです。

2016GRD
フクシマを訪れて、私はこれまでの人生でこれ程多くのダンプカーや建設車両を見たことがありません。
作業では容量が1立方メートルのビニールバッグに汚染土や低線量の核廃棄物を詰め込んでいきます。
袋ひとつの重さは約1トンです。
この袋が30,000,000個あるのです。
福島県内のどこに行っても、核廃棄物を詰め込んだこの袋が何段にも何段にも積み重ねられた場所に行き当たります。

これまで進められた来た作業によって、恐らく福島県全県の5~10パーセントの除染が完了したものと思われます。
しかし山の中に分け入って除染作業を行うことはできません。山を丸裸にして除染を行う事は不可能です。

そして起こるべきことが起きます。
台風はこうした山から様々なものを吹き飛ばし、四季の変化は植物の種や花粉を運んできます。
除染が完了したはずの町や村に風に乗ってやってくるのです。
こうして山から運ばれた汚染物質により再び汚染されてしまうのです。
放出された放射性物質の90%は山岳地帯にあるのですから…

低線量放射性廃棄物ビニールバッグ
ハリントン:そんな膨大な数の廃棄物の袋を日本はどうするつもりなのですか?

ガンダーセン:日本の人びとも同じ疑問を持っています。
日本では焼却処分が検討されています。
しかし私に言わせれば焼却しても放射性物質は無くなりません、煙突から再び大気中に排出されるだけです。
つまり放射性物質の存在そのものは全く解決されずに、再び放出されるだけになるだろうという事です。
大気中の放射線量が再び上昇する恐れがあります。
焼却処分を行なえば、一度ビニール袋に詰め込んだはずの方が再び大気中に吹き上げられることになるのです。
2度事故が起きるようなものです。
この処理については排煙装置に取りつけたフィルターが放射性物質をすべてからめとると主張していますが、私が検証した限りそれは不可能です。

ハリントン:私たちは番組の最後に、アーニー、あなたが日本で制作したビデオを放映することにしていますが、皆さんにも引き続きご覧いただきたいと思います。
私はこのビデオを見て、非常に心を動かされた一人ですが、きっと皆さんも同じ思いを抱かれることと思います。
このビデオを見れば、福島で今いったい何が、本当は何が起きているかが明らかになる、そう断言できると思います。

楢葉町05
ガンダーセン:そうですね。
この5年間福島でいったい何が起きていたのか、私たちは多くの人々や各機関から繰り返し質問を受けてきました。
そして今年1月、その結果を一本の番組にまとめるように依頼されたのです。
日本に旅立つ前、私はいろいろな資料の整理を行いましたが、この事故について合衆国政府がどのような見解を持っているかを報道した古い新聞の束を見つけました。

その中に、米国エネルギー省の見解もありました。
福島第一原発の事故についてはさほど心配する必要はない、チェルノブイリのようになる兆候はどこにも出ていない。スリーマイルと同じような状況と考えて良いだろう。
さほどひどいことにはならないはずだ…

一方の私は5年前、テレビに出演し次のように発言しましたが、たわごとだという人々がいました。
福島第一原発の事故は人類史上、産業事故として最悪のものである、と。
フェアウィンズがこの5年間、事故発生後の折々に指摘してきたことをすべて丹念にたどってみてください。
戯言を言っていたのはどちらか、はっきりすることと思います。

3号機
そして私は目を見開かされる思いで、こう結論するに至りました。
アメリカ政府も福島第一原発の事故の過小評価と事実隠ぺいに加担している。
ヴァーモント・ヤンキー原発の問題についても、原子力発電所の廃炉と撤去にどれ程巨額の費用が必要なのかを始め、山積する課題についても人々の目に触れないようにしている。
そして一般市民の人権や生活の安全を無視し、企業の利益や経済的利益を優先させているという点において、日本政府もアメリカ政府も同罪なのです。

- 《5》へ続く -
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//arnie-gundersen-on-cctv-nuclear-free-future-fukushima-at-5-and-the-vermont-yankee-shutdown-what-do-they-mean
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【 3本の手足を切断したカメラマンがとらえた難民問題 】《2》

アメリカNBCニュース 4月24日

難民16
3本の手足を失ったカメラマン、ジャイルズ・デュレイ氏は、中東を始めとする難民たちの実情を撮影、公開しました。
深刻な障害を負っても尚、彼は難民たちの実情を世界に向け発信するという情熱を失いませんでした。
ロンドン出身の彼は、アフガニスタンで取材中に地雷を踏み、その後5年間で30回の外科手術を受けなければなりませんでした。
彼は今、戦争によって生活を破壊され、そして傷つけられた人々の窮状を世界に向け発信することに九死に一生を得た命を捧げています。
(写真上)

10月26日、スカラスカミニア海岸に到着し、子どもを抱える母親。(写真下・以下同じ)
国連難民高等弁務官(UNHCR)とその協力機関は、特に立場の弱い母親と子供たちのために安全な避難場所を確保すべく、困難な取り組みを続けています。
難民17
10月28日保温シートを巻きつけて体が冷えないようにしている男の子。
地中海東部では当時天候が悪化し、低体温症に陥る難民が急増しました。
難民18
10月26日、やっとの思いでギリシャの海岸にたどり着いたアフガニスタン難民の一家。
難民19
http://www.nbcnews.com/slideshow/triple-amputee-photographer-giles-duley-shows-captivating-images-migrant-life-n560561

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ほんとうの「今」を知りたくて、アメリカCNN、NBC、ABC、CBS、英国BBC、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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